11/4/2024, 11:21:46 AM
哀愁漂う。
まずわたしがはじめに言いたいのは、わたしが地元に帰ったのは三年ぶりだったということ。
地元のイオンに久しぶりに行ってみて、知り合いと会うことを考えなかったかというと嘘になること。
でも、いくらなんでも、一番会いたくない人に、よりにもよって会ってしまうとは思わなかったこと。
元カノは昔わたしが置いていったパーカーを着て、イオンの野菜売り場でカートを押していた。
三年も前なのに。そのパーカー。わたしが置いていったものは、全部捨てていいって言ったのに。
彼シャツ、じゃないけど、そんな感じ。自分の服を着ている、カノジョを目撃! って、そんな気分。
目撃したところでなにかできるわけでもない。
元カノはわたしに気付くことなくシャインマスカットの並ぶショーケースを覗き込んでいる。
結局シャインマスカットを手に取れることなく、おつとめ品を目指すおばさまに押しやられて、日用品が置かれた陳列棚の向こうに流れて行く。
11/3/2024, 3:11:11 PM
鏡の中の自分。姿見に似顔絵が貼られている。振り向いたときちょうどわたしの目線がくる位置に貼られている。だからわたしの顔みたいに見える。絵の下手な大人が書いたみたいな絵だった。首から下はわたしのままなのに、首から上は気味の悪い顔がついている。だれがこんないたずらをしたか分からない。わたしがこの部屋にくることを知っていた人に違いない。わたしはそんなに背が高くない。なのにぴったりわたしの目の位置にくる。そっと扉を開いて姿見に近寄る。似顔絵の描かれた紙に指で触れる。その紙をぺらりとめくってみる。