鏡の中の自分。姿見に似顔絵が貼られている。振り向いたときちょうどわたしの目線がくる位置に貼られている。だからわたしの顔みたいに見える。絵の下手な大人が書いたみたいな絵だった。首から下はわたしのままなのに、首から上は気味の悪い顔がついている。だれがこんないたずらをしたか分からない。わたしがこの部屋にくることを知っていた人に違いない。わたしはそんなに背が高くない。なのにぴったりわたしの目の位置にくる。そっと扉を開いて姿見に近寄る。似顔絵の描かれた紙に指で触れる。その紙をぺらりとめくってみる。
11/3/2024, 3:11:11 PM