伊吹@誤字多め

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8/9/2025, 6:44:47 PM

「風を感じて」

どこなんだろう。ここは。
今の時代にしては随分と涼しい。
そこは森としか表現できないほどの森で、
その一面の緑は何処か懐かしさと不気味さを覚えた。
何故ここに迷い込んだのか、その記憶はない。
私の記憶的な障害をここまで恨んだことはなかった。
意図的に、耳を澄ましたわけでもない。ただ、
私の脳内に直接語りかけるように、
その声は風に乗って私の耳に伝わってきた。
今日の風は北から吹いてきている。
目をしっかりと瞑って、その風を感じた。
北の方へ一歩一歩進むと、
そこは不気味なほどに木漏れ日が降り注いでいて
その木漏れ日の中心に、
世界に拝められているかのように
美しく、少女が泣いていた。
「大丈夫…?」
そう話しかける。
今まで下を向いていた少女は顔をあげ、その
大きな瞳を私に見せるように向けた。
「ママ…何処か知らない…?」
「……知らない…」
「ありぁ…とございましゅ」
と、子供らしく答えた彼女を見て
何かを思い出したような気がした。
途端に、この森の抜け出し方を思い出す。
「ごめんねっ?私はこの森を出るねっ。」
そう、いつもよりいくつか声のトーンをあげ、
優しく答える。
「ぁたしっ!おねーさんについてく!!」
そう、さっきまで座っていた彼女がたつ。
何らかの縁な気がした。
前にも、こんな事があったような。
「…いいよっ」
そう、さっきよりぶっきらぼうに答える。
私の右手を握る手は小さく、か弱かった。
山を下りた。いや、実際は何処までが山なのかを
判断する知識が私にはなかったけれど、
いつもの街に近いものが見えた。
「ありゃ…と!!おねーさんのおなまえ、なぁに?」
「私の名前は…___だよ」
何処かで見たことがある。感じたことがある。
不思議な感覚だった。奇妙な感覚だった。
「!ぁたしとおんなじおなまえだねっ!」
そう笑う少女に、やはり懐かしさを覚えた。

8/9/2025, 3:10:21 AM

「夢じゃない」

「どーしたの、そんな顔して」
そういう、無邪気ながらも少し不安げな顔が
僕の見ている景色を埋め尽くした。
その日はどうしようもないほどの夏で、
北関東の方では40度が出る予報もされていた。
右手で額の汗を拭う。喉の奥の方にひりひりと
名前のない痛みを覚えた。曇りであるというのに、
ここまで暑いというのは、
最近噂の「異常気象」というやつが原因だろうか。
道端のたんぽぽもぐったりとしていた。
相変わらず、君の喋り方にはやる気がなかった。
いつも無気力だった。
声のトーンもあまり変わっているように聞こえない。
だけど今は、それどころじゃない。
何処までが夢で、何処までが現実か。
そこにいるのはちゃんと「君」なのか。
あの日僕の前にいた「君」なのか。
あの日少し笑えない冗談を言った「君」なのか。
君はよく、冗談をいう人だったと思い出す。
貴方は本当に僕の考えているその「君」なのか。
それが僕にはまるで分からなかった。
とっさ下を向いた。視線の行き先に困ったような
気がしたから。君の方を、
見てはいけないような気がしたから。いや、
僕の心がその顔を、少し拒んでいたから?
アスファルトに残る水溜りは僕に無感情に空模様を
伝えたけれど、今が曇りだということはこの
嫌な暑さと空気感だけで分かったし、僕の心に残る
この濁った気持ちの正体を教えてはくれなかった。
「ぁ…ごめん」
君との会話の感覚が、ちゃんと脳に刻まれていく。
あの日の"嫌な記憶"もしっかりと入れ墨のように
残っているというのに。
その瞬間、今出したその声を僕が本当に出したのか
何故か不安になってくる。
「なんで、そんな顔してるの」
君に不安が伝染するように、君も少し口角を下げた。
「……ねぇ、これって…夢、かな?」
こんなときにも君に頼りたがる僕が僕は大嫌いだ。
けれど、いつしか君は僕に「頼って」って言った。
だから、僕は君を信じて聞いてみるよ。
「夢じゃないよ。」
そう笑う君が、僕は好きだった。

───
↓過去編みたいな?

「…ね゙ぇ゙っ……!なんでっ……なんでだよ……!!」
薬品臭と僕を苦しめたがっているような静寂が漂う
その部屋に、君はいなかった。
ここまで大声を出したのは多分初めてだった。
君がこの世界に色を付けたのに、
その世界を君自身が黒色で塗り潰したような
感覚だった。これが、恋なのだろうか?
その部屋、ベッドに、
君の見た目をした"何か"がいたけれど、
それが君ではないことは本能的に理解した。
口元についている機械が白く濁ることはなく、
多分心拍数の波を表すであろう機械も、
揺るぎない直線を描いている。
親族は虚空を見上げて泣いている。
彼女の友達とみられる複数人の女子も、
声を上げたがっていたけれど、出してはいなかった。
「……っ」
その肌はいつもより白いように見えた。
今すぐにでも声を出して、それを冗談だと
言ってほしかった。


ーーー
なんか駄作
まとまりがないっていうか……
中途半端なので続き書くかもしれない
夏休みの宿題やばい

6/22/2025, 10:24:28 AM

「っwwwやばくないですかwww」

彼がスマホの中で、無邪気に笑う。
私は彼の笑い方が好きだ。
彼の一番の魅力は彼の健気な笑い方だと
私は思っている。
近頃少しずつ彼が有名になっていって、SNSの
フォロワーも増えていった。
その事実に嬉しさと同時に寂しさを感じる私は
最低だろうか。私にとって彼は「推し」であり
「恋愛対象」でもある。私は彼が本当に大好きだ。
だから私は、どこにも行かないで、今日も彼の
眩しさに甘える。私にとって、彼だけが太陽だから。


どこにも行かないで
2025/06/22

6/22/2025, 6:04:04 AM

君がこの空を見上げたから、
私も、見上げてみた。

君が星々の美しさに笑ったから、
私も、不格好に笑ってみた。

君が世界の孤独感に泣いたから、
私も、とりあえず泣いてみた。

君が、ここですべてを捨てて飛んだから、
私も____。

君の背中を追って
2025/06/22