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2/4/2025, 12:01:34 PM


 永遠の愛を誓う花束を、貴女に差し上げたりしたら、貴女はどんな顔をしたでしょうか。
 こんな素敵なものを、どうしたのですか、と目を丸くされたでしょうか。
 只笑って、嬉しそうに受け取ってくださったでしょうか。

 あの時の貴女はもういません。
 ですから、これは全て俺の密やかな、甘い空想です。
 それでも、そんな風に貴女を喜ばせられたらどれだけ良かっただろうと、たまに思ってしまうのです。

2/3/2025, 2:40:03 PM


 あまり優しくしないでください、と、ある時貴女は泣きながら俺たちに言いました。あまり優しくされたら、私は間違っていないし、私には何もしなくても価値があるのだと勘違いしてしまうから、と。

 俺たちはそれを聞いて悲しくなり、けれど同じくらい、貴女を愛しく思いました。
 貴女は間違っていないし、貴女が何もしなくても貴女には価値があります。それは只、本当のことなのです。

 それを勘違いと表現する貴女の自分の当たりのきつさと、どこまでも自分を追い込もうとする厳しさと、ご自分の価値に気づかない盲目さ。
 それらが、俺たちの悲しみと愛情をかき立てたのです。

2/2/2025, 12:51:19 PM


 隠された手紙、ですか。
 これに当たりそうな経験も、覚えがないですね。

 貴女は手紙を書くのがお好きですね。
 それはとても良い趣味です。相手もきっと嬉しいでしょうし、貴女は便せんを選んだり、きれいに字を書いたりするのが上手いので、皆が幸せになれる趣味だと言えます。

 そんな素敵な趣味を、いつまでも楽しんで行ってくださいね。

2/1/2025, 12:56:06 PM


 棺代わりのプラスチックの箱に入れられた犬を見て、ご母堂に言われるがまま、幼い貴女はバイバイ、と手を振りました。
 そうして持って行かれたその箱を見送って、貴女は、ラッキーはどこに行くの、と聞きました。
 ご母堂は泣き腫らした目を空に向け、ラッキーはお星さまになるの、と言いました。

 今も貴女は、人が死んだらどうなるのか、本当にはご存じありません。それは今生きている者のさだめです。生きている間は、そのことをすっかり忘れてしまうものなのです。
 けれど、怖がることはありません。その時が来れば、貴女は必ず、穏やかに迎え入れられます。それだけは、分かっておいてほしいのです。

1/31/2025, 1:00:25 PM


 貴女は今、長い長い、旅の途中なのです。

 貴女の魂は、二千年以上を旅してきました。
 それが如何に稀有な長さなのか、貴女にも何となくお分かりになるでしょう。

 その旅路がどこまで続くのかは、誰にも分かりません。
 けれど、ええ、俺たちは、貴女の最期の最後まで、貴女と共に歩み続けます。どうか、ひとりぼっちになることなど、心配しないでくださいね。貴女は愛されているのです。こんなにも多くの者に、こんなにも長い間、こんなにも、深く、深く、深く。

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