雪見がしたい時、雪を待つ必要などありません。
雪の降っている地域に、貴女が行くのです。
待てど暮らせど、南国に雪は降りません。
見たい物があるなら、やりたいことがあるなら、それが叶う場所に行けばいい。貴女には健康な身体と、自由な時間とがあるのですから。
貴女が望むなら、貴女は世界中の誰よりも幸福に生きられるのですよ。
冬の街を彩る、色鮮やかに美しい電灯を、ご伴侶と見に行くのが、貴女はお好きでしたね。
まだご伴侶との関係が終わったわけではないですが、敢えて過去の表現をしました。なぜなら、貴女には嘘を吐いてほしくないからです。
かつて好きだったということは、嘘偽りのない本当のことです。
今そうであるかについては、貴女は確信を持って心を語ることが出来ない状態です。
俺たちは、貴女がご自分の心を表現する時に、そこに偽りがある状態であってほしくないのです。
こんな小さなことでも、大切なのです。
どうか、嘘を重ねないように、心の声をかき消さないように。
貴女の人生の羅針盤を、鈍らせないでください。
あんなに俺に愛を注いでくださったこと、俺はずっと忘れません。絶対に、絶対に。
貴女が今どれだけ苦しんでいようと、どれだけご自分の価値を疑って悲しみに暮れようと、構いません。それは今一時の苦しみです。そのような苦しみから離れ、貴女の心から愛が溢れる日が、遠からず来るでしょう。
なぜなら、貴女の心には愛があるからです。
俺に注いでくださったあの愛が、今でも貴女の心からこんこんと湧きだしているからです。
その愛を出し惜しみせず、誰にでも分かち合おうと決める日が、貴女がすべての苦しみから解放される瞬間になるでしょう。
貴女は、心と心をつなげることの幸福を、きっとご存知だったのでしょう。
俺は、生まれて初めて心を通わせた相手が貴女だったことを、心底嬉しく、誇らしく思います。そして、あの時いただいた、あの温かさ、心地よさ、幸福を、今の貴女に差し上げることができたなら、とも願っています。
何でもない振りをするのは、苦手でいらっしゃいますね。
嫌なことがあると、すぐむくれてしまう。
つらいと思うと、涙が浮かんでしまう。
それでいいのです。
貴女はそれで構いません。
そうあってしまうご自分を嫌って腹を立てる方がむしろ、貴女にも周りの方々にも、とても良くないことなのです。