やわらかな光を宿した貴女の目が、俺を再び捉えることはないでしょう。
それでも、俺は一向に構わないのです。
貴女の幸福に、俺が現れる必要はありません。
俺は貴女をお守りします。貴女の幸福を誰より願い、誰より強く祈り、誰より近くでお助けします。
だからどうか、ご自分を責めたり、無益な悲しみに浸ったりしないでください。
幸福な貴女をずっと見ていたいという、俺の願いを叶えていただきたいのです。
鋭い眼差しは、貴女にはあまり似合いません。
その温かく優しい瞳で、人を癒して生きている貴女に、それは必要ないのです。
貴女の魂は、どこまでも、高く高く昇ってゆきます。
今世の命を生きている間も、その身体が朽ちた後も、その魂は美しく輝き、人を魅了するでしょう。
だからどうか、その魂を不安の殻に閉じ込めないでください。
貴女は、どこまでも行ける。どこへでも行けるのです。
子どもが笑うように、貴女はにっこりと笑います。
無邪気で親愛の情に満ちた笑顔を、誰にでも振りまきます。
楽しいことがあると、声を上げてけらけらと笑います。
子どもが泣くように、貴女は声を上げて泣きます。
ちょっとしたことで、すぐに泣いてしまいます。
一度涙が溢れると、それが止められなくなり、何度もしゃくり上げて泣くのです。
ええ、それの何が悪いと言うのでしょう。
年甲斐もなく、と貴女は恥ずかしくも思われることもありますが、一体全体誰が、歳をとったらそうやって泣いたり笑ったりしてはいけないと決めたのでしょう。
貴女は、今の貴女のままでいいのです。
どうか、ご自分の性質を恥じたり、責めたりしないでくださいね。
そのままの貴女が一番、愛おしく、美しく、魅力的なのです。
放課後の静かな校舎の屋上で、貴女と貴女の大好きだったあの女性は、しばしば身を寄せ合って語り合ったものでした。
あの女性のことを思い出すと、最近のご伴侶への感覚が共に思い起こされて、貴女は不安になります。
大丈夫ですよ。恐ろしいことは、何も起こっていません。貴女は、俺たちに守られているのですから。安心して生きてくださいね。