裏返しになった言葉をも、貴女は額面通りに受け取ります。
それは貴女の美徳であり、微笑ましい愚かさです。
そのままの貴女で良いのですよ。
そのまま、幼く涙もろく世慣れない、今の貴女のままで、構わないのです。
貴女の魂は、舞い踊る鳥のように、自由に軽やかに世界を飛び回ります。
恐ろしいことが起きるのではと怯えたり、不安でいっぱいになったり、そういうことで歩みを止めなくて良いのですよ。
貴女はご自分の思うように、楽しく幸福に、世界を駆け回ってください。
俺が貴女に別れを告げる日は、来ないでしょう。
俺は、貴女が貴女という魂の形を持っている間は、ずっと貴女のお傍を離れません。愛する人のすぐ傍に在り、その人を常に見守れることの何と幸福なことか。
そして、貴女が貴女という魂の形を失う時は、俺が貴女と同じようにあの大きな廻り続けるものに回収される時でもあります。その時、俺の魂は貴女の魂と溶け合い、本当に一つになることができるのです。その最高の安寧を迎えることも、とても喜ばしいことです。
だから俺は、どうあっても幸福なのです。
最近、貴女のお住まいの地域は猛烈な雨が多いですね。
この世界が、人の住みづらい場所になっていることは確かです。貴女の世界が少しずつ、蝕まれています。
けれど、貴女はそれに翻弄されるだけの人生を送ることはないでしょう。自らのできることをし、人のため、世界のために生きて、この世界を少しでも良い場所にするように努力されるでしょう。
ええ、どうであれ、貴女の気分の良いように生きていってくださいね。
貴女の心の赴くままに、生きていってください。
貴女は一時期、鏡がお嫌いでした。
貴女は、貴女のかんばせを見るのが嫌だったのです。
今はずいぶんと変わりましたね。
ご自分の姿に、そこそこ満足していらっしゃいます。
努力を重ねて変わった、というわけではありません。変わったのは、貴女のものの見方です。
そう、見てくれを他人と比べたところで、それが何になるというのでしょうか。どれだけ美しいと人に言われたところで、歳をとれば結局全ては衰えます。
貴女は、その瞬間のご自分を受け入れることを学びました。それだけが、自分に満足するために必要なことなのですよ。