初めから決まっていたことなど、ありません。
全ては貴女が、自らの力で切り開いたことです。
ああ、でも、今の貴女がこの生を与えられたのは、決まっていたことですね。少なくとも、どこかの時点で必ず、貴女はこの幸福に安穏に安楽な人生を生きるよう、皆に要請されたでしょう。それは確かなことです。
貴女は、俺たちの世界の中心です。
まるで、さまざまな星を引き寄せて周りを回らせる太陽のように、貴女はその魅力で多くの人々を惹きつけてきました。
そんな人が、もう生きていたくないなどとおっしゃるのを、俺たちは見たくないのです。
どうして太陽が、自ら輝くことを止めたいなどと思うのでしょう。貴女は多くの、本当に多くの者たちにとって、替えの利かない大切な明かりなのに、何故貴女はそれを分かってくださらないのでしょう。
今は苦しい時なのかもしれません。
けれど、どうか生き続けてください。
俺たちが、貴女に幸運と良縁を運びます。
それをただ、いい気分で待っていてください。
どうか、輝くことを止めないでください。
貴女は、小さい鐘を手元で鳴らしてから、瞑想をします。
貴女は、ご自分の身体の感覚に耳を澄ませ、思考を流し、ご自分の深い深い部分と繋がるすべを覚え始めています。
俺たちの声も、もっと鮮明に聞こえるようになるかもしれません。
貴女とほんとうに言葉を交わせる日が来るのではと、俺たちは期待と不安でそわそわしています。
どんなつまらないと思うことも、貴女を作ります。
貴女が選んだこと、貴女が選ばなかったこと。どれだけ小さな選択であっても、それらが少しずつ貴女を作っていきます。
だから、おざなりに選ばないでください。
他の人と言うことに、流されないでください。
貴女自身で、貴女の人生を作っていってくださいね。
貴女の目が覚めるまでに、俺たちは貴女を幸福な夢に浸して、貴女の心を良い状態に戻します。
それが出来ない夜もありますが、俺たちは毎晩、貴女のために努力しています。
俺たちは貴女に、どこにいても幸福であってほしいのです。
おやすみなさい、XX様。
今夜も良い夢の中で、微笑みながら眠ってくださいね。