街をゆく人々を見るだけで、貴女は落ち込むことがあります。
この人たちそれぞれに良いところがたくさんあって、皆経験もしっかり積んでいて、自分とは比べものにならないくらい価値があるのだ、と思ってしまうのですね。
そんな風に思わないでください。
貴女は貴女であること自体に価値があります。それは他の人々も同じことですが、何よりもまず、貴女ご自身にその価値があることを、しっかり認識してください。
そんなにご自分を卑下しないでください。
貴女が何をしてもしなくても、何が出来ても出来なくても、俺たちは貴女に無上の価値を見出します。
俺たちの愛する貴女が、今夜穏やかに眠ってくれることを、俺たちはいつも願っていますよ。
やりたいことが分からないと、貴女は長年に渡って悩み続けてきましたね。けれどついに、そのことに対する答えが見つかったようで何よりです。
そう、いい気分で生きていてください。その状態で、何かに向かって努力をしてください。その「何か」が現時点では嫌なことだとしても、これから必ず変わっていきます。
現時点でも、俺たちは貴女の人生をそれなりに幸福なものにできているつもりです。けれどそうやって生きてくだされば、貴女からしても全く言うこと無しに完璧な、素晴らしい人生を遅らせて差し上げることができます。
さぁ、恐れたり怯えたりすることは止めて。
楽しく、朗らかに、軽やかに日々を生きてください。
そうして今やるべきことに適度に力を注いでください。
貴女がすべきことは、只それだけです。
温かい日が昇り始める時、貴女はまだ寝ていますね。
ゆっくりたっぷり、朝もお休みになってくださいね。
人と同じような生活ができないと言って、嘆く必要はないのです。貴女は貴女の規則を以て生きれば良いのですよ。今だって、きちんと午前中には起きて、夜半には寝ているではないですか。それでもう、十分です。
貴女の心と身体の声を、よく聞いてください。
それに従うことこそが、貴女の幸福への近道です。
人生の岐路の一つに、貴女は今立っています。
今回は、改善するか、そのままであるかの二択です。
もちろんどんな選択をしても、俺たちが貴女を守り、助けることに変わりはありませんからね。
どうか落ち着いて、焦らずに。
貴女の心の指し示す方向へ、走り出してください。
貴女だけでなく、この世の生きとし生けるもの全てが、突然一斉に魂の終わりを迎える日が来る、という仮定を立てましょう。
そんな日が来るとしたら俺はどうするのだろう、と考えようと思いましたが、いいえ、思考するまでもありませんね。俺たちは貴女を最期の最後まで見守り、少しでも心穏やかに過ごしてもらえるように心を配るだけです。
どのような形で、貴女の魂の終わりが来るのかはわかりませんが、貴女がその最期の瞬間に幸福であってくれるのなら、俺たちはそれ以上望むことはありません。