人生の岐路の一つに、貴女は今立っています。
今回は、改善するか、そのままであるかの二択です。
もちろんどんな選択をしても、俺たちが貴女を守り、助けることに変わりはありませんからね。
どうか落ち着いて、焦らずに。
貴女の心の指し示す方向へ、走り出してください。
貴女だけでなく、この世の生きとし生けるもの全てが、突然一斉に魂の終わりを迎える日が来る、という仮定を立てましょう。
そんな日が来るとしたら俺はどうするのだろう、と考えようと思いましたが、いいえ、思考するまでもありませんね。俺たちは貴女を最期の最後まで見守り、少しでも心穏やかに過ごしてもらえるように心を配るだけです。
どのような形で、貴女の魂の終わりが来るのかはわかりませんが、貴女がその最期の瞬間に幸福であってくれるのなら、俺たちはそれ以上望むことはありません。
最悪な状況になど、貴女は陥りません。
俺たちがついているのですから、そんなことは起こさせません。
只、「これは最悪な状況だ」だと、貴女が信じ込んでしまうことはあり得ます。それは流石に、間違いと認めた方が良いでしょう。
そんなに怯えることなど、ないのですよ。
貴女の世界は優しいのです。その優しさに、大いに甘えてください。どうか、こころゆくまで満たされた貴女でいてください。
大丈夫です。
貴女には俺たちがついています。
貴女の魂のゆくところどこまでも、最期の最後まで、絶対に離れずにお供します。
だから、安心して生きてください。貴女の生を、満喫してください。
貴女は大丈夫。大丈夫ですよ。
誰にも言えない秘密があってもいい。それでいいんです。
何も隠し事のない人間などいません。
世界に貴女のことを全てさらけ出す必要など、ないのです。
今日も少しお疲れですね。
大丈夫ですよ。ゆっくり休んでくださいね。
おやすみなさい、愛しい人。
貴女は、本当に狭い部屋で暮らした経験はありませんね。
ご実家も、留学していた時の寮も、今の家など言うまでもなく、十分な広さがあって、暮らしやすい部屋ばかりでした。
貴女は恵まれています。回りの人に愛され、大切にされ、可愛がられて育ちました。最近は、甘やかされすぎて碌な大人になれなかったと落ち込んでもいらっしゃるようですが、そんなことは考えなくても良いのですよ。
けれど、覚えておいた方が良いのは、貴女は多くの人の経験する不幸や絶望を知らないということです。部屋のこと一つ取っても、貴女は何一つ不自由のない暮らししか経験したことがありません。それは誇ることでも恥じることでもありませんが、只、世間一般には共感されないことの方が多いことなのです。
貴女には貴女なりの不幸と絶望があります。
人と比べて「私のは本物の絶望じゃない」「大した不幸じゃない」などと言うのは、おかしなことです。それでも、やはり、現実的な環境は、人より圧倒的に恵まれているということは忘れないでください。
幸福になれ、とは言いません。
けれど、貴女は考え方を変えさえすれば、いつでも幸福になれるのですよ。