黄金色の輝きは存在するものの
ひとつひとつは薄く光を引き立てるベールも
幾層も重なってしまえば光は失われる
だから、今日の夜は暗い
月夜の晩ばかりじゃない
ないときがあるから、有り難さが身に染みる
あることが当たり前になってしまえば気づけない
失ってから気づくなんて遅いよね
優しい彼は
私の泣き言も愚痴も自信のなさも
すべて包んでくれる人だった
何を言っても、大丈夫と言ってくれる人だった
そんな彼が好きだった
それが彼の当たり前だと思ってた
今日、彼は私の前から離れていった
もう疲れた、弱くてごめんとだけ言って消えた
初めて、彼が私よりも先に背中を向けて歩いていった
月夜の晩ばかりじゃない
隠れた月が、輝きに満ちた日はくるのかな
2人で過ごした時間
2人でつくった時間
2人で構築した時間
それが形になったらいいな
お願い
そばにいて
そばにいさせて
これからも、これまでも、大好きだから
もっともっとたくさんの時間と
もっともっと濃くて深い時間を
共有できたらいいね
「ね!今日アイス食べて返ろうよ!今月の新作まだ食べてないの。お願い!行こ?」
「佑美ダイエット中じゃなかったっけ?」
「佑美、そうなの?えー先週のコンビニのときは?あの、叶ちゃんが予定あるって帰った日」
「心たちコンビニでなにしたの」
「叶子、そんな聞かなくてもわかるでしょー。新作スイーツ。春だしー桜だし?心美味しかったね!」
「どうしよ、佑美ダイエット中とか知らなかった」
「なんで心が悲しそうなの」
「佑美のせいでしょ。心は罪悪感」
「なんで!?心、美味しかった!でいいんだよ。私はそっちのほうが嬉しいなー」
「うん、美味しかった」
「それでよし。で、おふたりとも今日」
「アイスはやめとこ佑美さん。叶ちゃんもいいかな?」
「うん、私も。佑美がダイエット終わったらまた行こっか」
「ちょっとふたりとも。新作はいつでも食べれるわけじゃないからね。今食べないと後悔するよ」
「でも、ダイエットしてる人に何度も甘いものって…」
「佑美、心が気にしてるから今日はなし。佑美のダイエットのためにも、心のためにも。おけ?」
「うーん、納得がいかぬ。ダイエットのご褒美だよ」
「佑美のご褒美多くない?ね?」
「だよね、私と先週もスイーツ食べてるし。今日も甘いもの……」
「週1なんてたまじゃん!」
「うーん、月1くらいじゃない?心は?どのくらいの感覚?」
「えっと、ものによるけど。私ダイエットするって決めたときは甘いもの食べなかったし」
「心ストイックなんだよ。息抜きも必要だよ」
「佑美は自分に甘いんだよ。心、それで?」
「どのくらいかはわからないけど、しんどくなりすぎないくらい、ちょっと我慢したあと、かな?」
一年に一度の贈り物
あなたのことを想って
たくさんの時間を使って
喜んでくれるか期待して
頭の中でならばいくらでも赦されるから
一年かけてこの一日にかける
隠し続けなければいけない私の大切な想いを奥底に込めて
叶えるには大きなものと闘って壊さなきゃいけない
あなたへの影響も計り知れないだろうね
あなたを祝っても不思議じゃない特別な日に
1年間の隠した想いを賄賂みたく包んで渡すの
「誕生日おめでとー、今年はね生チョコにしてみたよ!」
ありがとうと笑顔を見せてくれるから、想いは消せない
一番近くて一番遠い、私のたった1人の大切な兄に向けて
3月3日桃の節句
ピンクと白とみどりの日
同じような白い顔をして、
ピンクと青い服に分かれた人形が並ぶ日
ピンクと白は同じなのに
みどりと青の違いが頭の隅にこびりつく
かつて、
みどりは青の扱いだったらしい
青信号と呼ぶのに、みどり色なのはそのせいらしい
いや、逆だ
青色の光が開発されたのは後の話だから、
みどり色の光なのに「青信号」と呼んだのが始まりか
どちらに寄せたのだろう
食欲をもたせるために青をみどりにしたのか
男﹦青のイメージからみどりを青にしたのか
ズラリと並ぶ人形にはみどりを纏うものもある
みどりに戻した可能性もあれば、みどりに寄せた可能性もある
この時期になると浮上する疑問の泡は、
明日になればパンと割れて消えてゆく
そしてまた、1年後フワーと生まれる