街へ
外へ出るということは新しい発見を探しにいくということ。
街へ出ると興味を惹かれる商店街がたくさん立ち並んでいる。
服や化粧品、雑貨などに目を惹かれ、それらがきらびやかに見えるのだ。
人間は物欲にまみれている、自分の持っていないものに興味をそそられ、惹かれ、手に取り、自分のものにしたくなるから、許容範囲内でそれを手に入れる。
新しい発見は、見つけたときだけ、きらびやかに輝いて見えるものだと思う。
きっとそれを手に入れたとき、数年経ったとき、きらびやかではなくなってしまうのだ。
街が新しい発見をする場所であり、キラキラして見えるのは、いつまでたっても、すべてを手に入れることができないからであり、手に入らないものがたくさんあるから。
優しさ
優しさの裏には残酷な秘密がある。
秘密がない人だっているかもしれないけれど、大抵の人は優しさの中にその一瞬で相手を不快にしてしまうような狂気を持ち合わせていると思うのだ。
人間は所詮、自分のことが好きなのだ。相手に優しくしたかわりに気持ちが満たされ、自己満足する。
そうやって繰り返すことで自分を悪者にしなくて済む。他人にも好かれる。
良質で良好なループに囚われていると思っているのだ。
私は、幸せそうな友達を見ると、どうしても、嬉しい気持ちとは裏腹に不幸になって欲しいと願ってしまう。
本音で優しい言葉をかけることができない。
友達に優しい言葉をかけたその言葉の裏では、不幸になって欲しいと願っている卑しい自分がいる。
幸せになってほしくない、この人も不幸になれば、自分と傷の舐め合いをしてくれるから。
だけど、本音は言えない、だって、嫌われたくないから。
私はそんなことを思う自分のことが嫌いだからこそ、自分にも優しくなれない。
優しくしたくないと思ってしまう。
きっと、自分を本当の意味で大切にすることができたら、他人にも、それと同じくらいの優しさで接することができるんだろうな。
きっと、今語っている、そんなことにも正解はないのかもしれないけれど、自分だけが思う正解を見つけたらいいのだ。
ミッドナイト
真夜中を色で表すとしたら、真っ黒、漆黒、ネイビー、海底…だと思う。
黒っていうのはいつだってすべてを飲み込むように、塗りつぶしてしまう色だ。
たとえ、きれいな景色だったとしても、素敵な色だったとしても、黒はすべてを黒く暗く、塗りつぶしてしまう。
真夜中の景色はそんなどこか暗くて静かで、どんよりとしている色たちで埋まっている。
だからこそなのか、それがすごく神秘的で、洗練されているようなイメージにも見えるのだ。
頭の中を整理したり、何も考えずにぼーっとするにはもってこいだと思う。
時には、何も考えずに海底のような色をした黒の中に沈んでみるのもいいかもしれない。
安心と不安
私の心はいつも忙しい。
ほんの些細なことで安心したり、不安になったりする。
だけど、安心すると自信がつくのか、不安は少しずつ消えていく。
感情は時間ごとにコロコロ色んな方向に変化していく。
感情が変わることは頭の中でいろんなことを考えることが出来ている証拠なんだろう。
そう思うと安心したり、不安になったりと忙しい私の心も悪くないなって思う。
逆光
写真をとるとき、逆光だと相手の顔が暗くなって見えない。
表情を隠しているみたいに、相手がどんな顔をしているのか分かりづらい。
けれど、見方を変えればまるで、後ろからあてられているスポットライトのようにも見える。
逆光は、その人物、あるいは物を影として主役にしてしまう。そんな素敵な一面も持っているんだろうな。
逆光のまま、撮影した写真はどこか不気味なイメージを醸し出すこともあるかもしれない。
だけど、そんなイメージを相手に与えるのもまた、その写真の味となることもあるんだろうな。