8月31日。
皆にとっての憂鬱な日付。
学生にとってはなおのこと。
自ら命を絶つ人がおおくなるこの季節。
綺麗なことは言わない。

午後5時過ぎ。
少しだけのその言葉が欲しかっただけ。





“がんばったね”




言ってくれたなら、
その言葉が言えたなら。

さよならは言わないで



遠いどこかへ行ってしまう君。
君が、死んでしまう訳でもない。
ただ、ほんの少しの別れ。
少し会えなくなるだけ。

自分は君がここに居たという、確かな記憶を
忘れないように、何時でも思い出せるように…


消え入りそうな声で、君に呪いをかけた。


「さよならは言わないで……」

君は少し驚いた顔をしていた。
でもすぐに優しい表情に変わりこう言った。



「いつでも会いに行くから、待ってて」


君には敵わないんだな。