愛颯らのね

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5/31/2024, 9:30:33 AM

お題 終わりなき旅

5/29/2024, 9:41:14 AM

お題 半袖

5/28/2024, 9:09:50 AM

お題 天国と地獄

5/27/2024, 7:34:03 AM



ねぇ知ってる?昔は三日月に願いを込めると、やがて満ちて願いか叶えられるって信じられてたんだよ。 すごいロマンチックだよね~! あっ絶対今しょうもないって思ったでしょ!! もぉ~夢がないな~

そんなことをコロコロと表情を変えながら 話していた君は、今どこにいるのだろうか。
君の家にも、学校にも、お気に入りのカフェにも あの三日月を一緒に見た静かな丘にも、 どこを探しても、もう君には会えない。 頭ではわかってる、わかってるのにな。

何もかも受け入れたくない僕は今日もいつもの丘 にきて、遠い遠い宇宙に浮かぶ月を眺める。 今日の月も君の名前のように美しいよ。 美月、きっと君はあの月より遠いところに いるんだね。 何十年もかけてゆっくりと、長い長い道を歩いて やっとまた、君に会える。 そう、信じてる。信じてたい。

その頃の僕は多分しわくちゃのおじいちゃんで 君は僕の大好きな笑顔で笑うんだ。 僕は失礼だぞって怒るけど、
2人とも 溢れんばかりの笑顔で笑ってる。 多分、これが幸せ。

ねぇ美月、僕を置いてくなんて、ひどいじゃないか。 ずっと一緒だよ!って言ってきたのは君なのに。 僕はこれからどうすればいいのかな。 君の居なくなった世界は、どうしてこんなにも 怖いのかな。例えるなら、真っ暗闇の水の中を 果てしなく沈んでいくような感じかな。 ただでさえ怖いのに息も吸えないんだ。 こうやって言うと君はいつも怒るんだ。 また難しい例え方して!そんなこと経験したこと ないからわかりませーん!!ってね。
それもまた可愛らしかった。 こんな他愛もない会話にも僕は幸せを感じていた。

そういえば、今日は三日月だ。
僕は叶う訳がないと言い聞かせながら、 ほんの少しだけ、三日月にわがままを言ってみる。 どうか、僕の大切な美月を返してください。 せめてもう一度、もう一度だけ会わせて下さい。

日頃からつくづく思うことを三日月に伝え、 自嘲気味な笑みをこぼす。

でも、きっとこう願ったことがある人は少なからず 存在するだろう。
叶うわけがないと、
どこかでわかっていても。

祈りを込めてもう一度三日月に願う。

また会おうね。美月。

5/26/2024, 8:27:51 AM

お題 降り止まない雨

雨が降っている。
あの日と同じだ。
運が悪い。

雨なんか大嫌いだ。

大好きな、いや大好きだった君を
思い出してしまうから。

あの日も確か強い雨が降っていた。
僕は傘を持っていなくて、昇降口でただただ呆然と立ちすくんでいた。

みんな帰って、いよいよどうするかと
頭を使い始めた時に君は現れた。

「この傘良かったら使って?」

少し首を傾げながら紺色の折り畳み傘を手渡してきた。

困っていた僕は、ありがたくそれを
受け取った。渡された時に触れた手が妙に熱くなった。

これが君と僕の出会い。

傘を返す時に、そういえば君のことを何も聞いてないことを思い出し
返すのに一苦労した。
でもその後に
君と仲良くなれたから、そんな苦労すら良かったと思っている。


初めて会ってから3ヶ月後、僕たちは当たり前のように付き合い始めた。

それから1年間、とても幸せな時をすごした。

時々君は体調を悪そうにしていたけど、生まれつき体が少し弱いと言っていた。

僕はそれを信じてなるべく室内のゆっくりとしたところで遊ぶこと増やした。
映画に行ったり、お買い物をしたり、植物園に行ってみたり。

本当に君のことを大事にしている
つもりだった。

それでも今、僕は振られた。

最近いっそう体調が悪い時が多くなったように見える君。

僕はこれからも支えていくつもりだった。

でも今この状況になって
初めて僕が君に支えられていたことを知った。

本当に辛いよ。
君がいない世界は。

なんで僕は振られたのか聞いても
〝私が悪いから〟
としか言ってくれない。

これじゃぁ諦めきれないよ。
しょうがない事だとわかっていても
僕の心にも晴れは訪れない。

幸せだったことを考えながら流す涙は
止まることを知らない。

今日が雨でよかったとも思える。
傘を持っていない僕は雨に涙を隠してもらいながら、鉛のように重たい体を引きずって帰った。

この時君も涙を流していることを
僕が知ることはなかった。

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