お題 善悪
善人と悪人がいると
多くの物語では善人が報われてハッピーエンドで終わる。
でもそれは物語の中のお話。
実際は善人は報われなくて、悪人だけが得をする世の中。
大人は、先生は、こういうだろう。
『いいことをすれば、いいことがかえってくるよ』
果たして、本当にそんな世界だろうか。
誰も見ていなくても、落ちているゴミを拾う。
誰も見ていなくても、人には優しくする。
誰も見ていなくても、頑張って生きていく。
きっと楽ではないと思う。
じゃぁ、悪人はどうだろうか。
誰かが見ている時だけ頑張り、裏では何をしているか分からない。
ゴミをその辺に捨ててたり、人をいじめていたり、めんどくさいことは善人に押し付けてるかもしれない。
そっちの方が楽そうではある。
でもそれが、本当にいいのだろうか。
そう考えると、よくないと言う人が多いだろう。
私が考えるに、いいことをするのは、あくまで自己満だ。
でもその自己満が自信に繋がり、もっといいことをする。
そうすると自分の視点が、いいことに向くのかなって思う。
それが『いいことがかえってくる』みたいな感じかなって
今日は流れ星が見える。
そう知った時の君の横顔は、弾けるような笑顔だった。
その日の夜は、当たり前のように近くの裏山に連れていかれた。
そこには、消して多くは無いものの数組の人たちがいた。
嬉しそうな、でも少しなにかに怯えるような。
そんな君を横目に僕は周りの人を見た。
あの家族はきっと、初めて流れ星を見に来たのだろう。
僕たちと同じくらいの年齢の女子数人組は、イケメン彼氏ができますようにとでも願ったのだろう。
1番ギャーギャー騒いでいて、正直うるさい。
あそこのカップルは、一生一緒にいられますようにって感じかな。
そんな中、君だけはまるで別世界にいるような雰囲気を出している。
流れる流れ星にはしゃぐのかと思っていたが、君は両手をきつく繋ぎ、胸の前に合わせていた。
長くてきれいな髪が風になびいている。
あぁ、そんなことしないでくれよ。
信じたくない未来が現実になりそうな気がしてしまい、
僕まで少し怖くなる。
恐怖に怯える僕は、柄にもなく君の横に行き、同じように手を合わせ願ってみる。
どうか、もう少し、もう少しだけ、
彼女の心臓が正常に動いてくれますように。