「太陽」
昔、太陽に手をかざし『この瞬間を絶対忘れない!』と心に誓った。
が、日付とか歳とか、色々言ってたのに、手をかざした事実しか覚えていなかった。
この意思を忘れないと、思いながら手をかざした。
あの頃の太陽よりも今の太陽は、ちょっと眩しい、きつい。
「目が覚めるまでに」
あの時はどうやって眠っただろう。
友人が死んだ時、私は何をどう思ってただろう。
心と体がよくわからなくて、あの時はどうやって眠ってただろう。どうやって目を覚ましたんだ。
葬式と告別式の時は覚えている。
でもその前後が、全部が前が覚えていない。
私はちゃんと寝たのかな。
今もこうして生きて、文字を書いているのだから 生きてはいる。
そして皮肉なことに歯の痛みが、私が生きている証になる。
「病室」
病室に対して、いい思い出がある人はいないだろう。
大抵、死がまとわりつく。
ちゃんと治して退院する人もいるが、仕事の関係で亡くなった人の棺桶を見ると、気が滅入る。
入院している時間が短いと無機質だが、長期入院している人は、各々が物を持ち込んでそれなりに彩りを見せる。
いいとも悪いとも言えないそれが、なんとなく生を感じる時がある。
仕事関係で病院にいるが、知り合った人が1人でも多く、退院できるように私はいつも祈っている。
「だから、一人でいたい」
私は心が弱い。
ほんの些細なことでも傷つく。
友達に悪口言われると傷つく。
陰で何かを言われても傷つく。
自分の心が傷つくのが嫌だ。
だから一人でいたい。
「澄んだ瞳」
私の瞳はどんな感じ?
生まれてこの方、恋人はいないので、いろんなことを褒められたことはない。
その上、友達もいないので誰かの容姿を、褒めたこともない。
いや、昔はいたけど容姿よりも私は友の、人間性が好きだった。
君は君のままでいてほしい、君は君でしょう。
そういった時の君の顔は、どうだったかな。
瞳はどんなだっただろう、記憶がない。
ちょっともどかしく、残念だ。