「目が覚めるまでに」
あの時はどうやって眠っただろう。
友人が死んだ時、私は何をどう思ってただろう。
心と体がよくわからなくて、あの時はどうやって眠ってただろう。どうやって目を覚ましたんだ。
葬式と告別式の時は覚えている。
でもその前後が、全部が前が覚えていない。
私はちゃんと寝たのかな。
今もこうして生きて、文字を書いているのだから 生きてはいる。
そして皮肉なことに歯の痛みが、私が生きている証になる。
「病室」
病室に対して、いい思い出がある人はいないだろう。
大抵、死がまとわりつく。
ちゃんと治して退院する人もいるが、仕事の関係で亡くなった人の棺桶を見ると、気が滅入る。
入院している時間が短いと無機質だが、長期入院している人は、各々が物を持ち込んでそれなりに彩りを見せる。
いいとも悪いとも言えないそれが、なんとなく生を感じる時がある。
仕事関係で病院にいるが、知り合った人が1人でも多く、退院できるように私はいつも祈っている。
「だから、一人でいたい」
私は心が弱い。
ほんの些細なことでも傷つく。
友達に悪口言われると傷つく。
陰で何かを言われても傷つく。
自分の心が傷つくのが嫌だ。
だから一人でいたい。
「澄んだ瞳」
私の瞳はどんな感じ?
生まれてこの方、恋人はいないので、いろんなことを褒められたことはない。
その上、友達もいないので誰かの容姿を、褒めたこともない。
いや、昔はいたけど容姿よりも私は友の、人間性が好きだった。
君は君のままでいてほしい、君は君でしょう。
そういった時の君の顔は、どうだったかな。
瞳はどんなだっただろう、記憶がない。
ちょっともどかしく、残念だ。
「お祭り」
近くには大きな神社があった。
そこのお祭りは、私が住んでいた中でも、一番大きかった。
お神輿とかは、担いだことはない。
なんか、人の輪に入るのが苦手だった。
だからいつも、眺めていただけだった。
お祭りは嫌いではない。だけど、行きやすい神社、行きにくい神社があったような気がする。
今は年を重ねて、昔いた場所から引っ越して、祭りとは縁が遠くなってしまった。
神社自体とは縁があり初詣は行ったが、どうしても祭りだけは縁が遠かった。
今いる場所に骨を埋めるのなら、祭りに1回行っとくべきだろうか。
神様、何か啓示をください。