#子供の頃は
子供の頃は、良かったのに
子供の頃は、あんなにも簡単に「すき」って言えてたのに。なんで今はこのたった一言を言うのがこんなにも難しいのか
「ねぇ、俺、すちくんのこと好きなの」
「俺もみことちゃん好きだよ」
あんまりにも簡単に言ってしまえる君が憎い
俺が勇気をだして言っても、それを流して微笑んで簡単に言ってくるすちくんが、ずるい
俺のことをただの友達だって、思ってるからか
…違うか、俺が"そういう意味"で好きって分かってるから、知らないふりしてくれてるんだよね、
ごめん、でも、ちょっとでいいから俺と向き合ってよ
俺の目を真っ直ぐ見て、
『俺は友達として好きだよ』
って、言ってくれたら諦めれるのに
#日常
起きて、顔洗って歯を磨いて、朝ご飯を食べずにパソコンの前に座って起動する
「あ、そうだ」
スマホをひらいて、いつもと同じようにおはツイする
なんて、いつも通りなんだろうか
誕生日だっていっても、なにも変わらない。いつもの日常
…普段と違うところと言ったら、メンバーがおめでとうを言ってくれてるところだろうか
それに、TLも賑やかにこさめの絵が絶えず流れてくる
誕生日だって、改めて実感する
だからといって、仕事が消える訳ではないけど
ぽつぽつと聴こえる雨をBGM代わりにしてパソコンに向き合った
「んーっ!」
「つかれたぁあっ」
いつもと変わらない1日になりそう。
まぁ非日常だなんて、いらないけど
毎日メンバーと馬鹿みたいな話で笑いあって、真面目な話もして、変わらない毎日も最高に楽しいもん
マウスカーソルをディスコードの『天獄』の上におく
ピコン
「もしもーっし!おつかれーっ!」
#相合傘
「梅雨入り、しないかな」
「はぁ?」
俺が言うと、後ろから声が返ってくる。
「なんで?分かんなすぎる、お前雨好きだっけ?」
「あぁ、そっか。いるま天気痛やばいもんね」
今日は雨降ってないから普通だけど、昨日は大雨でしかめっ面しながら頭おさえてたな…
「梅雨が好きって言うかぁ〜」
ちらりと横目でいるまを見る
「なに?」
「ほら、傘、傘忘れるとするじゃん」
「そしたら、2人でひとつの傘に入るでしょ?それが好きなの、いつもより距離近い気がして」
「………なにその顔!」
俺が言うと、何とも言えない顔で見てくるいるま。
「いや、別に」
「俺は雨嫌だけど…、」
「なんか、嫌いって言わせないようにしてる?」
「…えー?ん、まぁちょっと?w」
「まぁ、頭しぬのはマジで嫌だけどな」
「じゃあ俺と一緒に相合傘するのは嫌じゃないんだw」
俺の言葉に答えずに作業に戻るいるま。
…たまに、わざと傘忘れるのはいま言わなくていいか
#落下
「なっつくーんっ!」
「ちょ、こさめあぶなっ」
勢いよく後ろから抱きついてくるこさめ。階段が目の前で、このまま踏ん張れなかったら落ちていたところだ。十数段の階段の下で倒れる自分を想像してゾッとする
運動音痴、略して運痴なんだぞ俺は。バク転して着地なんて人間技じゃないものを格好良く決められない。
「あ、ごめんごめん」
軽く笑いながら謝るこさめ。こいつ、、反省してるのか?なんて思って、小突く
「なつくん見つけたら抱きつきたくなっちゃうんだもん」
「なんだそれ…」
なんて喋りながら下りてたからいけなかったのか
ズルッ
「ぅわっ゙」
「はっ、ちょっとなつく、っ」
こさめが手を伸ばしてるのは分かったけれど、背を向けていたからか、それを掴むほどの反射神経は持ち合わせていなかったらしい
うわ、なんてしょうもない。これが最後だったらどうしようか
なんて、
「っ、、とッ」
「ちょ、なつ大丈夫か?」
思ったほど痛くないし衝撃がなくて、落ちる時に瞑っていた目を開く。
「ぁ、いるま…」
「なにしてんの、まじで。あっぶな」
…これが吊り橋効果と言うやつか?なんか顔が赤い気がして、手で顔を隠す
「…大丈夫か?怖かったな」
違う、そう言うのじゃない。怖かったけど。
…ドキドキする。たぶん、これは落ちた時の恐怖や驚きとはまた違った動悸なんだろう。
「ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ーーーー」
あぁ、堕ちた
#あじさい
純粋に、この花束をくれただけなのかもしれない
知らなかっただけなのかもしれない
花瓶に入った数本のヤマアジサイ。
誕生日が梅雨だから、そんな簡単な理由でくれたのかな。それとも、分かっててプレゼントなんてしたのかな
「…はは、分かんないことしないでよ…、、」
それとも、もう少しこさめに耐えてほしいの?
見逃したらいけないって、分かってるのに
いつも薄っぺらな言葉で絆されちゃって、ばかみたい
「こさめだけ見てて欲しいのに」
まだ、あの桃色の目にこさめはうつってる?