ににににににに

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#落下

「なっつくーんっ!」

「ちょ、こさめあぶなっ」
勢いよく後ろから抱きついてくるこさめ。階段が目の前で、このまま踏ん張れなかったら落ちていたところだ。十数段の階段の下で倒れる自分を想像してゾッとする
運動音痴、略して運痴なんだぞ俺は。バク転して着地なんて人間技じゃないものを格好良く決められない。

「あ、ごめんごめん」
軽く笑いながら謝るこさめ。こいつ、、反省してるのか?なんて思って、小突く
「なつくん見つけたら抱きつきたくなっちゃうんだもん」

「なんだそれ…」
なんて喋りながら下りてたからいけなかったのか
ズルッ
「ぅわっ゙」

「はっ、ちょっとなつく、っ」
こさめが手を伸ばしてるのは分かったけれど、背を向けていたからか、それを掴むほどの反射神経は持ち合わせていなかったらしい
うわ、なんてしょうもない。これが最後だったらどうしようか
なんて、

「っ、、とッ」
「ちょ、なつ大丈夫か?」
思ったほど痛くないし衝撃がなくて、落ちる時に瞑っていた目を開く。

「ぁ、いるま…」

「なにしてんの、まじで。あっぶな」
…これが吊り橋効果と言うやつか?なんか顔が赤い気がして、手で顔を隠す
「…大丈夫か?怖かったな」
違う、そう言うのじゃない。怖かったけど。
…ドキドキする。たぶん、これは落ちた時の恐怖や驚きとはまた違った動悸なんだろう。

「ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ーーーー」
あぁ、堕ちた

6/19/2024, 9:59:42 AM