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10/29/2025, 11:38:34 AM

君は沢山に愛された
君は一人を愛していた
君は誰にも愛されなかった
君は何人も愛していた
愛の程度は人それぞれ
ソレ自体に貴賤は無いけれど
明日の目覚めの一呼吸
ソレを満たせるだけあれば

‹tiny love›


いらっしゃいませお客人
さぁ靴を脱いでコートは置いて
鞄もアクセも大事に仕舞って
手を洗って体も洗って
良い香りの石鹸で
優しいタオルと柔い服
お手入れはオイル?それともクリーム?
お好きな方をたっぷりと
さぁさぁおしまい
これにて最後
それでは目の前の
扉を開けて

‹おもてなし›


例えば死しても潰えぬ願いを
魂魄尽きても刻まれた意思を
祝福と言うには痛々しく
呪いと言うには純真過ぎた
その輝きをなんと呼ぼう

‹消えない焔›


貰って食べて、書いて貰って、食べて書いて、
なんてお馬鹿な山羊でも無いのにね
ほらほら手遅れもう手遅れ
それに気付いてもいないけど

‹終わらない問い›


水面が揺らぐ
ふわふわと
空から降る羽に
撫でられて
大きく羽撃いた君は
果たして何処まで行けただろうか
私は立ち止まり空を見る
飛ばないままに
空を見る

‹揺れる羽根›

10/25/2025, 9:43:23 AM

甘く透き通る琥珀色
手に少し余る宝箱
向こうの景色は見えるのに
中身は濃く薄く曇りがかって
それを大層大切に
度々光へ翳していた

甘く透き通る琥珀色
本当に
舐めたら甘いと手の主が言う
潰してしまった鍵穴の
代わりにいつか開くかもと
譲られた鍵も大層甘く
一晩保ちはしなかった

‹秘密の箱›


「本当に一人きりになりたかったらさ、
 全部捨てて無人島にでも行くしか無いのかね」
「別にそんなことをしなくても。
 いつだってお前は独りだろ」

‹無人島に行くならば›


あまり好きじゃないの、と彼女は言う
枯れ葉を空に吹き飛ばし。
熱も骸も奪うばかりで、
何も与えられやしないのだと。
それでも好きだよ、と彼は言う
上着の裾をひるがえし。
暑を奪って寒を呼ぶ、
一時穏やかな休息を。

‹秋風🍂›


息を吸った 空が広い
きっと昔も未来も同じように
息を吐いた 心地よい風
きっと善きも悪しきも同じように
息を吸った 生きている
きっと植物も動物も同じように
息を吐いた 生きていた
きっと明日は 明日には

‹予感›

10/21/2025, 9:21:20 AM

何処まで行けば友達だろう
共に話すこと遊ぶこと?
何処までなら友達だろう
触れる温度を知らないこと?
何処でなら友達になるだろう
目を合わせて君が言う
眉根を寄せて
鏡の向こう
君[僕]が言う

‹friends›


薄い肉と這う銀糸
それでどうして強く輝くのか
茫洋な目に脆い脳みそ
それでどうして情景を描けるのか
影も形もない心
それでどうして感情に寄り添えるのか
21gを計れない魂
それでどうして心揺さぶれるのか

バラしたってわからないなら
先に言っといてほしかった

‹君が紡ぐ歌›


強い光も濃い霧も
前の見えない十二分条件
なんていうから迷わぬよう
暗く干からびさせたのに
君はまだ来ない
まだ来ない

‹光と霧の狭間で›


アナログもデジタルも何だか気に障るのだと
言った翌日に渡された
花と棒とそれと砂
年月を数えて日を数えて
あとは命を数えたら
それで十分と渡された
今更、それだけで十分と

‹砂時計の音›

10/16/2025, 1:25:09 PM

おや随分と古い物を見つけて来たね。
あぁそうだよ。昔は寝ても覚めても
星がきんきらさざめいていたものさ。
ひとは星々に名を付けては目印にしていた。
例えばほら、これはお前の名の元になった星だ。
珍しい資源が有ってね、
だからそういう名になったのさ。
ん?何でって、よくある話だよ。
星同士にも喧嘩はあるし、寿命もあった。
此処にも直した跡があるだろう?
初めの頃は直す位で済んでいたのだがね。
今じゃあこの通り、一面真っ暗ってワケさ。

‹消えた星図›

10/15/2025, 10:34:57 AM

「美人は3日で飽きるらしいけど、
 4日目のご感想は?」
「お前は美人じゃなくてイケメン系なので。
 飽きるなぞ7億年は早いわ」

‹愛 − 恋 = ?›

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