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3/11/2025, 3:39:02 AM

「でもどうせ、『願い事を増やしたい』とか、
 『時間を巻き戻したい』とか、
 『生き返らせて』とかは駄目なんでしょう?」
「だからね。私、意地悪を言うわ」
「『もう二度と、誰の願い事も叶えないで』」

‹願いが1つ叶うならば›

3/10/2025, 3:58:19 AM

君よ死んでくれるなと
哀しく切実な祈りの声
待つ者も未来もその手に在りて
尚無為に捨てねばならぬ命

一等好きなうただった
一等好きなうただけど

身に迫る感情にならぬことを
実の経験とならぬことを
不定の先を臨みて望む

‹嗚呼›


お決まりノックはリズミカル
何処でも良いから扉を開け
大人には内緒の秘密基地
子供達だけの魔法の公園
声も性別も肌の色も
耳の形も手の数も
生まれた世界も違うけど
魔法の公園ルールは一つ
破っちゃったら永遠に

‹秘密の場所›


「お前その歌好きね」
「君にも歌ってあげようか?」
「冗談。倒せたら聞いてやるよ」
「もう。直ぐに聞かせてあげるからね」

‹ラララ›

3/6/2025, 12:04:23 PM

風が運ぶ
命を運ぶ
種を運ぶ
蝶を運ぶ
香を運ぶ
雲を運ぶ
煙を運ぶ
蝗を運ぶ
毒を運ぶ
病を運ぶ
魂を運ぶ
風が運ぶ
風が運ぶ
風が運ぶ

‹風が運ぶもの›

3/6/2025, 9:00:09 AM

「『1+1=2』って当たり前じゃない?
 でも、これが確かにそうだって証明するのは、
 すっごく大変なんだって」
「『1』が『何』で、『2』が『何』で、
 『=』はまだしも『+』って『何』って、
 そういうことを証明しないといけないんだって」
「水と氷の関係とか、ガラスの正体だってそう。
 当たり前な事ほど実際は難しかったり、
 実は異常なことだったりするんだって」
「だからこれは冗談だけど、」
「『君』って一体『誰』で『何』なんだろうね?」

‹question›


忘れないでね、待っているから
忘れていいよ、沈み切るよりも
誰もに伝えて、二度と無いように
誰にも言わないで、笑顔のままに
孤独じゃないよ、大事だったんだ
一人になって、どうか傷付かないで
立ち上がらないで、沢山泣いて良いの
立って歩いて、まだ時間は続いてる
幸せになって、せめて僕達の分
不幸にならないで、それは私達の分
生きて、生きて、最期まで生き抜いて
せめて君だけは
どうか君だけは

‹約束›


白いスカートが翻る
まだまだ冷たい水面の上
白い脚がリズムに跳ねる
砂浜消える足跡残し
夏の似合う白いワンピース
冬の海に凍えもせず
一人楽しげに踊っている
一人だけで踊っている

‹ひらり›

3/2/2025, 1:49:37 PM

乱暴に床踏み歩く音
君は静かに首を振る
片端から物壊す音
君は静かに首を振る
脅かすように言い連ねる音
君は静かに首を振る
閉ざした扉蹴りつける音
君は静かに首を振る

ブレーキサイレン物々しい気配
君は静かに首を振る
暴れ落ち高く金属音
君は静かに首を振る
喚く音が遠ざかり無事を尋ねて歩く音
君は静かに背中を押す
開いた扉の隙間に光
君は静かに背中を押す
慌ただしくも安堵の音
君は静かに背中を押す

振り返って手を伸ばす
君は静かに首を振る
一緒に出ようと訴える
君は静かに首を振る
おいきなさいと背中を押し
君は静かに手を振った

‹誰かしら?›

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