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10/10/2024, 9:12:06 AM

休みに掛けてイベントに行ってきたのだと
同じ色ばかりのお土産を積み上げて言う
カメラロールはピカピカギラギラしていて
結構な頻度で手振れとミスショット
此処に誰がいて何を歌って
どれが美味しくておすすめがあって
話す様子があまりに楽しげで
それがなんだかいつもとても嬉しかったから
一欠片も興味のないアーティストに
いつの間にかとても詳しくなってしまう

‹ココロオドル›


超長距離を、一日掛けて歩くイベントがあった。
きょうだいは、運動系の友達と共に走り、
ペットボトルだけで午前に帰ってきたらしい。
きょうだいは、文化系の友達と共に歩き、
景色とお弁当とお菓子とお喋りを楽しみ、
間に合わなくて車で回収されたらしい。
わたしは、ひとりゆっくりマイペースに歩き
お弁当の代わりに一口のおにぎりを、
お菓子で座り込まずに立ち止まって氷砂糖を含み、
のんびり午後に帰ってきていた。
全員用意が違い、全員楽しみ方が違うから、
不思議で面白いものだなと、思った事を覚えている。

‹束の間の休息›

10/8/2024, 8:44:36 AM

それは例えば愛情で
それは例えば睦言で
それは例えば快楽で
それは例えば幸福であったけれど
それは事実上暴力で
それは客観的犯罪で
それは明確に苦痛で
それは赦されざる事だった

‹力を込めて›

10/7/2024, 9:21:45 AM

例えば指先が冷たかったこと
頬が赤くて熱かったこと
柔らかな色が好きで
かっちりした服が好きだったこと
酸っぱい味が嫌いで
果物だけは食べられたこと
広い空が好きで
狭い街中を楽しんでいたこと
音色ばかり残った声のこと
フィルターのかかった景色のこと
褪色された記録と
美化された記憶の
中で
まだ生かし続ける思い出のこと

‹過ぎた日を想う›

10/5/2024, 12:32:05 PM

私の顔を知らないくせに
私の名前も呼べないくせに
地上の歓声は私を指差し
拙く直線を繋いでいる
時々瞬く光を
偶に果てる光を
稀に気付く目が有っては
太陽に隠されて尚騒いでいる
馬鹿な者達
愚かな者達
後世だ発展だと言っても
私達の世界に追いつけないくせに
まあでもそれでもその矮小が面白くて
あまり退屈しないものだから
死したあの日に空に上げられた事
ちょっとばかり許してあげないこともない

‹星座›

10/5/2024, 12:22:11 PM

きらきらと輝くシャンデリア
パチパチ弾ける細身のグラス
ふわり優雅に時々ポップに
代わる代わる跳ね唄う音
一口サイズのケーキを頬張り
そばで優しく微笑む人に
尊敬し敬愛する先輩との
学生生活最後の夜に
少しだけ綺麗に気取って
泣きたいような緊張を隠して
私はこの手を差し出した

‹踊りませんか?›


いつか君の執念が削れ果て
いつか僕の執着が崩れ落ち
そして君が僕以外と出会い
誰かと平穏に笑い合い
真に祝福されるべき幸せを得られたら
そうしたらきっと今度こそ
ただの友として向かい会おう

‹巡り会えたら›

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