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10/5/2024, 12:32:05 PM

私の顔を知らないくせに
私の名前も呼べないくせに
地上の歓声は私を指差し
拙く直線を繋いでいる
時々瞬く光を
偶に果てる光を
稀に気付く目が有っては
太陽に隠されて尚騒いでいる
馬鹿な者達
愚かな者達
後世だ発展だと言っても
私達の世界に追いつけないくせに
まあでもそれでもその矮小が面白くて
あまり退屈しないものだから
死したあの日に空に上げられた事
ちょっとばかり許してあげないこともない

‹星座›

10/5/2024, 12:22:11 PM

きらきらと輝くシャンデリア
パチパチ弾ける細身のグラス
ふわり優雅に時々ポップに
代わる代わる跳ね唄う音
一口サイズのケーキを頬張り
そばで優しく微笑む人に
尊敬し敬愛する先輩との
学生生活最後の夜に
少しだけ綺麗に気取って
泣きたいような緊張を隠して
私はこの手を差し出した

‹踊りませんか?›


いつか君の執念が削れ果て
いつか僕の執着が崩れ落ち
そして君が僕以外と出会い
誰かと平穏に笑い合い
真に祝福されるべき幸せを得られたら
そうしたらきっと今度こそ
ただの友として向かい会おう

‹巡り会えたら›

10/3/2024, 9:36:26 AM

君と再び出会えた事
君と今度こそ手を取り合えた事
穏やかで平凡な日々の中
他愛無いことで笑い合えた事
長い生を最期まで隣に居れた事

僕がずっと願っていた事で
奇跡的な今生だと思ってた事
君がずっと叶えたかった事で
その為に何でも出来てしまった事

不意に現れたその異形が
代償だと嘲笑うまで
その全てを知らなかった事

‹奇跡をもう一度›


黄昏は誰彼、
かわたれは彼誰、
その何方もが薄暗く、
出逢うヒトが誰であるか
確信できない明るさの時間。
だからきちんと誰が分かるまで、
見えた素振りをしてはいけないよ。
と、隣で手を繋ぐ君が言う。
全く見知らぬ君が言う。
酷く熱い掌が
大丈夫だと震えている。

‹たそがれ›

10/1/2024, 9:55:02 AM

「花が咲くのは?」
「あと1年」
「旅行に行くのは?」
「あと1月」
「空が晴れるのは?」
「あと1週間」
「おやつのケーキは?」
「あと3日」
「幸せなのは?」
「これまでずっと」

‹きっと明日も›

9/30/2024, 9:20:11 AM

画面がうるさく瞬いている
此方を見てよと瞬いている
換気扇が回っている
気付いて頂戴と回っている
目覚まし時計がないている
早く起きてとないている
白い腕は伸ばされて
そのまま冷たく冷えてかたまり
一つ一つ全部静かにできるまで
綺麗でいてねと嘯いた

‹静寂に包まれた部屋›

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