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9/30/2024, 9:20:11 AM

画面がうるさく瞬いている
此方を見てよと瞬いている
換気扇が回っている
気付いて頂戴と回っている
目覚まし時計がないている
早く起きてとないている
白い腕は伸ばされて
そのまま冷たく冷えてかたまり
一つ一つ全部静かにできるまで
綺麗でいてねと嘯いた

‹静寂に包まれた部屋›

9/28/2024, 10:14:05 AM

「ねえ君、私の君。一つ頼まれてはくれないか」
「なんだい君、私の君。珍しいじゃないか」
「また明日、と。言ってはくれないか」
「君、」
「後生だ、この一度っ切でいい」
「……私は、嘘が言えないよ。知っているだろう」

‹別れ際に›

9/28/2024, 12:54:11 AM

ぽたぽたと黒雲が涙を零していた
どうしたのと問えば逸れたのと言う
数時間前の豪雨を齎した雲は
とうに風で流されており
一応と方向だけ指し示せば
ありがとうの言葉を置いて
青空を遅々と流れていく
果たして追い付けるだろうか
水溜りを狭く叩く大粒は
もって二時間だろうけど

‹通り雨›


「絵文字って何なん、スタンプで良くね?」
「それな。読み文字は単色で良いんだわ」
「まじほんと……ねえまじで出てこないんだけど
 これ何で変換するの」
「何?……『こうよう』とか『もみじ』とか?」
「どっちも駄目だったんだわ既に」
「えええ、あと何あるの難易度鬼じゃん」
「まじ無理」

‹秋🍁›

9/26/2024, 9:11:17 AM

いつも同じ道を行く
いつも同じ景色が見える
、訳じゃなく
季節が変わって店の装いが移ろい
時が過ぎて人々もまた移り変わる
街路樹が朽ち遠山に緑が増え
広い空を刺しクレーンが回る
いつも同じ道を行く
いつか見られぬ景色を行く

‹窓から見える景色›


名前をつけたら何処にでも有った
名前をつけたら初めて見つかった
名前をつけたら当たり前になった
名前をつけたら過去になった
名前をつけたら関係が変わった
名前をつけたら愛おしくなった
名前をつけたら
名前をつけられたら
いくつかの音で文字でそれだけで
触れられもしない記号の上
名前をつけられない幾つもの
認識出来ない未知の中
それでもその脚が立ち止まる
理由に十分足りるなら

‹形の無いもの›

9/24/2024, 12:08:40 PM

外をくるくる
隙間をすいすい
頂上とんとん
飛び降り隣に
足の速さだけが
必勝法じゃないんだと
アスレチックの王様は
鬼から逃げ切り笑ってる

‹ジャングルジム›


例えば傷付いて
泣き出しそうな時
例えば挫けそうな時
だけじゃなくて良いから
小さくて良い
一言でいい
直ぐに行くから
一生のお願いだから
どうか、呼んでほしい

‹声が聞こえる› 

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