異雪

Open App
10/14/2024, 9:10:06 PM

・高く高く

塔のように積み重なった思い出が、小さな私を見下ろしている。
両手で抱えきれなくなったアレを私はどうすべきなのか、今の私には皆目見当もつかなかった。
せめて私もアレと同じくらい大きかったら崩すことも抱えることも出来ただろうに。
塔のように積み重なった、酷く歪で大きな思い出は、何一つ成長出来ずただ途方に暮れている私を冷ややかに見下ろしていた。

10/12/2024, 2:39:23 PM

・放課後

部活動なんて嫌い。
君と一緒に帰れないから。
待つのは嫌い。
一人でいると嫌なことが頭から離れないから。
先生が嫌い。
早く帰れと急かしてくるから。
友達もちょっと嫌い。
楽しそうなお誘いで誘惑してくるから。
あの子は大嫌い。
マネージャーとして彼の傍にいるから。

でもこんなワガママな私が1番嫌い。

10/12/2024, 8:14:35 AM

・カーテン

君が嫌がるもの、君を苦しめるもの、君が見たくないもの、君にとって不都合なものは僕が全部遮ってあげる。
だから君は僕だけを見ていてほしい。
薄暗い部屋、希望も絶望もない場所で2人きりで過ごしていよう。
そうしたら君も僕も幸せなはず。
そうだろう?

10/11/2024, 4:55:52 AM

・涙の理由

先輩が卒業した。
あの人と出会ってもう2年経ったのか、と卒業式を終えたあとの眠い頭で考える。
明日も今まで通り部室で同じように笑って話すような気がしてしまうのにもう二度とそんな日は訪れない。
いつものように部活に顔を出すと、片付けられた部室が視界に入る。
その瞬間、先輩がいなくなった事への寂しさがじわじわと込み上げてくる。

先輩が残してくれた道具だけが俺のすすり泣く声に寄り添ってくれていた。

10/9/2024, 12:13:44 PM

・ココロオドル

好きな人から届いた「電話したい」の一言。

Next