異雪

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9/3/2024, 9:32:30 AM

・心の灯火

あなたにとってはなんて事ない言葉だったなかもしれない。
それでも私にとっては唯一の希望で救いだった。
だから今まで頑張って来れたのに。
今はあなたのその言葉が絶望に感じるほど苦しくなってしまった。
駄目ね。やっぱ燃料は慎重に選ばないと。
じゃなきゃあなたごと燃やす羽目になっちゃったから。

9/2/2024, 5:27:23 AM

・開けないLINE

2桁の数字がアイコンの横に並んでいる。
己の怠惰が原因なのは分かっているが、それでもたった1回のタップさえ後回しにしてしまう。
いっそ通知を消した方が早いのは分かっているが、なけなしの良心がそれを止めている。
……まぁ、それが余計にアプリを開く気力を奪っているのは確かだけど。

そうこうしているうちに通知の数字がまた1つ増えてしまった。
早く見た方がいいのは百も承知なんだけどなぁ。
「……急ぎのようなら通話で来るか」
今日も言い訳を呟くと、いつものようにYoutubeを開いた。

8/31/2024, 12:24:56 PM

・不完全な僕

コイツは言葉が上手く喋れない。それどころか私が何を言ってるかも分かってない。
身体の作りも違うせいで歩き方も変だった。
オマケに皆が当たり前に出来ることが何一つできない。
しかしコイツは主である私への忠誠心が誰よりも大きかった。
「ご飯だよー」
毎日律儀に献上品を差し出す僕(しもべ)は今日も変な言葉を言っている。
全く。たまには私と同じ言葉を喋ってほしいものだ。
「今日もうにゃうにゃ言いながら食べてるなぁ。そんなに美味しいのかな、これ」

8/30/2024, 12:53:00 PM

・香水

私、恋人の前では1番お気に入りの香水はつけたくないの。
大好きな香りを、いつ嫌な思い出に変わるか分からない人にあわせたくないの。
もちろん死ぬまで貴方の一番でいたいし、貴方の一番が私であって欲しい。
でも私の一番は嫌でも私。貴方だってそうでしょう?
だからこの香水は貴方の前では一生纏ってあげない。
せいぜい五番目くらいで我慢してね。

8/30/2024, 3:09:49 AM

・言葉はいらない、ただ……

アンタが娘を愛してることはもう十分に分かったから、とりあえず今は仕事に集中してて。
娘の面倒はとうの昔から慣れっこなの。忙しいのもいつもの事。だから私の事は気にしないで。
それとそのぬいぐるみは娘じゃなくてお義母さんにあげて。きっと喜んでくれるでしょう。
遠慮?まさか。娘はもうおままごとなんてしてないのよ。今いくつだと思ってたの?
父親としての責任を果たしたい?なら適当な言葉や娘へのプレゼントより、払うべきものがあるでしょう。
それが分からないなら私たちのことはもう二度と考えないで。
いっそ無かったことにしてくれた方がまだマシだったから。

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