異雪

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8/29/2024, 4:07:01 AM

・突然の君の訪問。

玄関の前で君は甘えた声で私を呼ぶ。
いま手が離せないのに、なんて言っても無駄だからすぐにドアを開けると我が物顔で部屋に入ってくる。
餌ほしさにじゃれてくる君に、ご主人じゃないのになぁって伝えても知らんぷり。こういう所ももう慣れちゃったな。
追い出した所で意味が無いから結局今日も餌を与えて甘やかす。
あーあ。
君がただの可愛い野良猫だったら良かったのに。

8/28/2024, 9:14:38 AM

・雨に佇む

今日は傘をさせなかった。
服が濡れる気持ち悪さ。
身体が冷えてくる感覚。
通行人からの視線。
そんな事よりも、私はただ泣いていたことがバレてしまうのが何よりの苦痛でどうしようもなかった。
だから今日は傘をさせない。少なくとも、誰もいない家に帰るまでは。

8/27/2024, 9:10:21 AM

・私の日記帳

(空白のページが続いている)

8/26/2024, 9:34:53 AM

・向かい合わせ

日記。
外に出るとしばしば散歩中の犬と目が合う。
どの犬も私の目を離さずじっと見つめながら歩いてくる。私も犬に飢えてるので出来る限り見つめてしまう。
しかし飼い主だけはこちらを見ずに歩き続けている。
そしてそのまま互いがやり取りすることも無くすれ違う。
犬と私だけが対等に向き合っていることを、あちらの飼い主さんは気づいているのだろうか。

8/25/2024, 6:10:41 AM

・やるせない気持ち

通販サイトから荷物が届いた。中身は定期購入している猫の餌だった。
「すっかり忘れてたな……」
ダンボールから餌を取り出し、私はそれを彼女の前へと運ぶ。
出会った頃よりすっかり小柄になった彼女は、大好物の餌を前にしても鳴き声の1つさえあげてくれなかった。
「……あと数年はこの餌を買うつもりだったんだよ」
ザラザラした身体を撫でながら文句を言ってみる。それでも彼女は返事なんてしてくれなかった。
「これ……どうしようかな」
49日を過ぎた今、餌をあげる相手が居ない私は未開封の餌と小さな骨壷をボーッと眺めていた。

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