異雪

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・やるせない気持ち

通販サイトから荷物が届いた。中身は定期購入している猫の餌だった。
「すっかり忘れてたな……」
ダンボールから餌を取り出し、私はそれを彼女の前へと運ぶ。
出会った頃よりすっかり小柄になった彼女は、大好物の餌を前にしても鳴き声の1つさえあげてくれなかった。
「……あと数年はこの餌を買うつもりだったんだよ」
ザラザラした身体を撫でながら文句を言ってみる。それでも彼女は返事なんてしてくれなかった。
「これ……どうしようかな」
49日を過ぎた今、餌をあげる相手が居ない私は未開封の餌と小さな骨壷をボーッと眺めていた。

8/25/2024, 6:10:41 AM