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テーマ-【一筋の光】
ボクの本当の友達は、ボクを本当の意味で理解してくれている人はきっといない。ボクの友達は男ばかりで、学校以外でも遊べる時間はあるのに、まったく遊ばない。そんな、ボクからしてみれば、中途半端な関係だ。
家に帰れば変人扱いだから、もちろん孤立している。唯一の理解者は亡くなってしまった祖父くらいかな。
亡くなる3日前、祖父からメールで「会いに来てくれるかい?」と来たので、ワタシは会いに行った。そこにいた祖父はいつも以上に真剣で、今思うと死期が近いことをなんとなく察していたんだろうと思う。祖父は眼をワタシに向けて、シワだらけの頬を揺らしながら、細い肩から腕を使い起き上がった。そして小指をワタシに向けて、祖父は言った。
「儂は儂のまま生きてしまった。今程『ジェンダー』について考えられていなかったもんだし、ひどく軽蔑されると感じてしまっていたからじゃ。今は世界がそれを変えている。行きたいように生きることを許してくれておる。変わるなら今じゃぞ…」
その言葉と同時にボクの小指を掴むと、ボクと祖父の心臓が繋がる。命を懸けてボクに教えてくれた教え。
すぐお葬式があった。親戚の人達が順々に祖父の顔を覗きながら涙を零す。その涙に込められた想いは人それぞれ違うだろう。
遂に成人を迎えることが出来た。
鏡に映る自分は「髪を短くして、ズボンを履いていて、髭を生やしている」が、鏡の中の自分は「髪を長くして、スカートに足を通していて、髭が生えていない」、自分とは対の姿だった。
テーマ-【鏡の中の自分】
深いため息をついて、仕事を終わらせる。決して疲れていたのではなくて、嫌になったんだ。
奴隷じゃないけどさ、傲慢な上司にヘコヘコ頭下げちゃってさ、嫌いなのに逆らえない。何とも言えない屈辱が、オレの精神を乱す。
「辞めます。」
辞職届とともにそう言った。
あんな傲慢で、ヘラヘラしてたあいつはもういなくて、「行かないで」なんて言われちゃったりして?必死に止めてくれると思ったのに…
あっそ、たったそれだけで、オレのことを片付けた。
きっと何処かでは構ってほしいっていう想いがあったんだと思う。何時も、誰にも構ってくれないから、今日だけは!ってきっと思ってたよ。
嗚呼、めんどくせーオレ。何だよそれ。気持ち悪い。
「行かないで」なんて言われてたら、本当に行かなかったと思うか? オレ…
テーマ-【行かないで】
「ユウちゃん、お昼何食べたい?」
「いいよ。ばぁちゃん、俺買ってくるからここで待ってて。」
「あら、そう。わかったわ。行ってらっしゃい。」
もう七年も使ってる古い靴を履いて、歩きでスーパーに行く。真上に廻る太陽を見上げ、涙を溢れさせないようにする。
いつからか俺のことを、俺がまだ小学生の頃の呼び名「ユウちゃん」と呼ぶようになった。
認知症だと気がついたのは俺が会社でまだ働いていた頃、おばぁちゃんの家に住んでいた。夜遅くまで働いていて、帰るのが遅くなってしまった。深夜に帰ると、家にばぁちゃんが居なかったのだ。心配になり、警察に連絡すると、近所の公園で、ユウちゃん、ユウちゃん、と言いながらブランコを眺めていたらしい。警察から認知症の可能性があると言われて発覚した。
正直言って、悲しかった。悔しかった。
こんなことを言うのはよくないとわかっているが、あえて言わせてもらうと、「死んだと同じ」だと思ってる。今の俺を見つめてくれない。知らない人を介護しているような、そんな感覚。
ため息の毎日が続くならどうか、少しでも望みがくれると嬉しい。周りからの共感じゃなくて、ばぁちゃんからのプレゼントなんかでも嬉しい。ただ、ばぁちゃんはまだ死んでないという確証が俺にわかるようなものが欲しい。どうか……どうか……
「ばぁちゃん、買ってきたよ。温めるから待ってて」
「ユウちゃん、おいで」
「なに?」
「ユウちゃんにプレゼント」
布の袋が目の前に置かれる。
「お誕生日おめでとうね〜」
「覚えて行くれたんだ……
……ありがとう」
テーマ-【子どものように】
書けませんでした…
テーマ-【静寂に包まれた部屋】