1000年先も、私が私でなくなっても、私はあなたのことを想い続けます。
大好きだから、心配だから、愛してるから、不安だから
ドイツに住むソフィアは、想いを寄せていたディルクに、ディルクの好きな花をつもうと思った。
その花は、綺麗な青紫色で、水辺に沢山咲いていた。
崖を降りようとしたが、ワンピースの裾が足に引っかかり、うっかり滑らせてしまった。
そのまま下へ落ちてしまい、水の中へと消えてしまった。
ディルクもソフィアのことが気になっていたので、死んでしまったのが、悲しくて仕方なかった。
毎日、ディルクはソフィアのお墓にあの花を供えた。
ある水曜日、ディルクはソフィアのお墓に、花と一緒に手紙も添えた。
手紙には、 『 ソフィアへ 君のことは忘れないからね。ソフィアも僕のことを覚えててね。見守ってくれたら嬉しいな。 ディルクから 』
と、書いた。
勿忘草は、ドイツ語で「Myosotis sylvatica」。
私を忘れないでという意味。
2人の運命が交差する旅路がなかなか見つけられなくて...
町外れの草原で、私は小さな男の子に出会った。
その男の子の瞳は、お日様に照らされる海の表面みたいに輝いていて、深海みたいに深く、岩にあたって砕ける波のように透き通っていた。そんな瞳に見守られていたのは、少し枯れてきた草の生える草原に咲く、小さな白い花だった。もう、頬を撫でる風が冷たくなった頃だったが、そんなことはかまわず、その花は活き活きと一生懸命咲いていた。
「花、可愛いね」、思わず男の子に話しかけてしまった。初めて会った女の人に、急に話しかけられたら怖いだろう。ごめんと言おうと口を開こうとした時、「うん、この花可愛い」と、私の琥珀みたいな目をみて、話してくれた。じっと見てきたから、深くてキラキラと星の散るような瞳に目を逸らしてしまいそうになった。
その男の子は、穏やかに流れている川の近くに住んでいた。その家から、お母さんとお姉さんが出てきた。そして、「そろそろ戻っておいでよ!」と、男の子を呼んでいた。花を眺めていて、家に戻るのに時間がかかりそうだったから、「お母さんたちが呼んでたよ?」と言うと、「分かった」と言って、家に戻って行った。
3ヶ月ほど経って、またあの草原に向かった。
またあの男の子はいるだろうか、またあの眩しすぎる瞳で見つめ返してくれるだろうか。
草原を見渡した。居なかった。そこにあったのは、1輪だけで、寂しそうに咲いている花だけだった。
体が勝手にあの子の家へと向かっていた。ドアをノックして、あの子が出てくるのを期待していた。
出てきたのは、あの時のお姉さんだった。
「どちら様ですか?」と聞かれた。「この前、あの花の咲いている草原で、綺麗な瞳の男の子と話したんです。久しぶりにここに来て、あの子、いるかなって思ったんですけど、居なかったので、どうしたのかなと思って。」「あぁ、ノアのことですね。今寝込んでるんです。誰かに移る病気ではないんですけど、2ヶ月くらい前から、体が動かせなくて」と、青い目を涙で潤ませた。「会えませんか?」ダメ元で聞いた。1度しかあったことの無い大人を家に入れるはずがない。知っていたが、期待3割で聞いた。少し驚いた顔をして、「いいですよ。あなたのことは、ノアからも聞いていたんですよ。会えて良かった」と、嬉しそうに言ってくれた。
男の子の部屋まで案内してくれた。
「あの花、まだ咲いてるの?」と、私の顔を見た途端に聞いてきた。覚えてくれていたことに驚いた。「うん、あの時と変わらずに、元気だよ」と言った。「良かったあの花見たかったんだけど、見れないから嫌なんだ」と真っ直ぐ私の目を見て話した。「つんできてあげようか?」と聞くと、「いい、あの花は、あそこに咲いていなきゃダメなの。」と、涙目で言った。分かったよと、頷いた。「また会いに来るからね」と、今までで1番明るい笑顔を見せて帰った。
あの日からしばらくして、家に一通の手紙が届いた。知らない住所からだった。
『ノアが 死にました 。来てくれてありがとう。 』
信じられなかった。すぐには涙が出なかった。
まだあんなに小さくて、まだ瞳はすんでいたのに。
何時間か経って、大粒の涙が目からこぼれた。
私はあの草原へ行った「また会いに来るからね」
花に向かって呟いた。
あなたに思いを届けたい
「I LOVE」って聞いたら、次にくる言葉は「You」という単語が1番に思い浮かぶ。
けれど、答えは1つだけなんて、だけにも教わらなかった。本が好き、音楽が好き、ピアノが好き、フルーツが好き、学校が好き、夏が好き、もちろんあなたも、けど1番好きでいてあげなきゃいけないのって、自分なんだと思った。
自分を好きでいて、大切にできて、愛せて、いつでもマイペースで、そうでなくちゃ、本も音楽も、ピアノもフルーツも、学校も夏も、そして、あなたも愛せないと思った。
と言ったって、自分を好きになって、大切にするのは案外難しかった。どうしても、あなたが優先になっていた。けど、みんなそうなんだって思った。
そうやって、自分を愛せずに苦しむのも、自分を傷つけてしまう、1つの方法なんだと知った。
自分の好きなところなんて、片手で数える程しかない。けど、今落ち込むのはまだ早い。早すぎ。
何でもいいの、絵が上手、話すのが好き、聞くのが好き、好きな人の横にいるのが好き、夢を見るのが好き、別に、目立つことをやってなんて、きっと誰も望んでないから、できることからやって見て、それを伸ばせば、自分に自信がつくのかもしれない。
それが上手くいかなくたって、挑戦することに限りはなくて、なんでもやりたい事に、今すぐ挑戦できるのが、自分の凄いところで、偉大なところで、計画を立てて慎重に始めるのも、どちらも自分の素晴らしいところなんだ。苦手を克復する前に、好きを伸ばして、誰にも真似出来ないことをやればいいんじゃない?
美しいのは、宝石でも、花びらでもなくて、自分の持っている、綺麗な心だと思う。
I LOVE Me
そう言える日が今すぐじゃなくても、何年後でも良いから、いつか来てくれたら嬉しいな。