青色の春
赤色の夏
橙色の秋
灰色の冬
色々な季節が過ぎ去った
あの頃の自分は幸せだと思えていただろうか
喜怒哀楽に勤しんだ青春のページ
思い返す今は幸せだったと思うよ
いつだって周りには誰かが、友人が、仲間がいた
”生きる”という行為には必要なもの
次の世界にはどんな人間がいるのだろうか
白紙のページが美しく彩られるだろうか
最高の仲間に出会えることを期待するよ
白い箱に隔離された箱入り息子
目を覚ましたとき
安堵と呆れが込み上げる
「もうそろそろ飽きたよ」
そう呟くと手に触れる冷たい感覚
しかし少年も生きている人間だ
次第に恐怖を感じる
「嫌だ」
恐怖を口にしてもその感覚は離れない
ましてや更に強く冷たさを感じる
何も考えたくない、何も感じたくない
そうして再び目を閉じる
眠りにつくと手のひらの感触は暖かくなる
その繰り返し
「いつまで続くんだ。さっさと死にたい」
少年の言葉を横目に白い彼はニコリと笑う
”ごめんね”の数だけ”ありがとう”がある
何て世間ではそう言うけれど
僕は謝ってばかり
君は僕に”ありがとう”と言う
その感謝の言葉は僕の心に刺さって
”ごめんね”を創り出す
だって君は僕の唯一
純粋な君に
心の熱を向けてしまう
一線を越えてしまってはもう遅いんだ
私はずっと見ているわ
貴方に触れられたこと
貴方が話してくれたこと
貴方の綺麗な瞳
全部知っているし覚えているの
次はいつ私に触ってくれるのかな
それとももう忘れてしまった?
いいえ、信じているわ
貴方は私を忘れないし、忘れさせない
早く私に触れて
憧れる貴方は輝いていて、手に届かない高嶺の花
それに比べて貴方の輝きがないと
存在ができないような暗闇に生きる私
貴方が大好きよ
近づこうとしても磁石のように離れてしまう
唯一近づける日
貴方は私を赦したようにその場に留まり動かない
まるで望んでいたかのように待っている
今だけは私のモノ
誰にも見せたりしないわ