言い出せなかったな。
つらい?かなしい?怖い?苦しい?なんでもいいんだ
…そりゃだって苦しいさ、
苦しいって言葉が浮かぶくらいには。
でも”苦しい”の言葉の先が、つっかえる。
喉から出かかるくらい脈略のある言葉が思いつけばよかった。
分かることは、胸が重くなって、
息も思考も何もかもが止まって、
動かなくなる。
この世の居心地の悪さを痛烈なほど植え付けてくるだけの。
この感覚。
そのまま伝わっていたら逆に怖い、
それくらいの重さを、誰かに背負わせるのが重荷だ。
他人事のように、生きずらい人間がいたものだ。と
心の中で呟く。
…あぁ、誤魔化した方が楽だって気づかなければ良かった。
素足のままで、砂浜を走る。
あついのでまともに砂に足をつけない、
しかし、そんなことより海だ!
私は海が好きだった。
なんでかは正直分からない、でも。
何かいつも、真新しいワクワクをくれるから。
なんとなく、海が好きだ。
やっと波打ち際、色が変わった砂に足を置く。
波が動くのが不思議でじっと観察してしまう、
なんでこんな動くんだろ!
そうしているうちに、大きめの波がやってきた。
足の間を流れる波、思ったより勢いがあって怖い、
しかしそんなスリルにもワクワクが勝つ。
直ぐに波が引いていく、逆再生みたいで面白い。
でもちょっと足がくすぐったい!
ウキウキした気持ちのまま、後ろを振り返って。
はしゃいで置いてきてしまった両親を発見する。
「早く来ればいいのに!」
足音がする。
誰のだろうと耳を澄ます。
人の話し声、他にも歩く人のざわめきやあくびの音。
それ以外でも、毛色の違う無機質な音。
ぴ!ガタン…!あ、分かりやすい。
目を向けなくても直ぐに自販機の音と分かる。
しかしどうして沢山人がいる中で、
誰のかも分からない足音が耳に残っているのだろうか
私にもよく分からない、がとても気になる…
まぁ、私の中ではよくある事だけれど。
気が散った矢先、多分飽きたので。
いつもと同じく目線を上げ、電線にさえぎられた青空を観察する。
今日は普通にいい天気だ、いい青色!
感動してそのまま眺めていると、空が狭まり周りが暗くなる。電車と屋根の隙間が少し眩しい。
あれ?早かったな…、と少しハッとする。
電車の内側の窓、上がってきた階段を見つめながら。
…結局誰の足音だったんだろ?
あ、もしかしたら同じ電車かな…!
思わず辺りを見渡してしまうが無駄に決まっている。
気づいて即座にやめると少し恥ずかしくなった。
でもきっと、誰が足音を鳴らしたかじゃなくて。
騒がしい中で、誰かも知らない一人の人間の足音、
それを耳に残して、何かを感じ気に停めた。
この余白の方が、多分もっと知るべきことだ。
あー!人の感性って面白いなぁ〜!!
と素早く切り替えた私は、ワクワクしながら。
景色が流れていくドアの隅に身を寄せるのだった。
私の心の羅針盤は、いつも物語の中に居た。
ゲームに漫画、アニメやドラマ、映画にも。
絶えずあるのは、別世界に生きる人間。
しかし、物語はあくまでフィクションである
という人がいるのも否めない、確かにそれは事実だ
極端に言って仕舞えば、物語は人が作った嘘話。
でも、考えてみて欲しい、
人間界に嘘じゃ無いものなんてあるのだろうか?
”あぁ、多分無いな。” というのが私の感想だ。
お金も地位も言葉も仕事も、全部人が作り出し、
勝手に信じてるだけの嘘なのだ。
つまり何が言いたいかと言うと…
脱線しすぎて正直私にもよくわからない笑
だけど、言いたいことがあるとすれば、
物語は嘘なんかじゃない。
私が確かに信じれば、それは真実になり得る。
時に感動させられて、たまに絶望させられて、
救われて、慰められて、愛したくもなる。
自分の命を使ってそれでも何かを教えてくれる、
物語の中に生きる人間の生き様は、いつでも輝かしい
まるで指針のように人間の可能性を見てせてくれる。
物語ってものはいつでも私の羅針盤であり、
肩を組めるような相棒なのだ。
眩しくて、目を閉じた
でも数秒後にはその先が気になっていた
眩しい、眩しいと思っているのは誰だ
私は酷く落ち着いた心境で、
眩しいな、でもだから何なのだろう
まるで平然と、思わず心の中で呟いた
目を開いて、その先を見ることにする
眩しい、しかし無理に瞑らなくても、私は自由なのだ