5/2/2024, 3:25:39 PM
「ほら、なーにしてんの?」
そうやって、優しい声で私を呼ぶ。
「ごめん、明日は彼女とデート」
君には特別な人がいるのに。
大切な人、いるよ。
特別な人、いるよ。
君もいるでしょ、大切で特別な人。
だから、私に優しくしないで。
【優しくしないで】
4/10/2024, 8:32:54 AM
私は魔法少女だ。
私の魔法は時を操る。
だから、愛しい人々の死を何度も見てきた。
ある日、君は神になることを決めたね。
君は世界に存在しなかったことになり、
概念として新たに生まれ変わった。
だから、みんな君を知らない。
でも、私は君と過ごした日々を鮮明に覚えている。
それは、誰よりもずっと、
強く、美しく、鮮やかな
遥か昔の私の思い出。
【誰よりもずっと】
4/7/2024, 2:24:36 PM
今日の青春も終了。
ひとり帰路を辿る。
美しい緋色が川面に映り込む。
ゆっくり、ゆっくり。
ゆっくり静かに歩みを進める。
どんどんあたりは暗くなる。
その景色は、まさに今の私を現していた。
【沈む夕日】
4/6/2024, 1:35:01 PM
『俺に会いに来てくれてありがとうっ』
三年前の握手会のとき、君は笑顔でそう言った。
昨年引退した君とまさか、大学が……そのうえ、学科が同じだとは、想像もしていなかった。
三年前と同じように君と相対すると、視線がバッチリ絡み合う。
それが、なんだかとても安心する。
「……好きです」
君の目を見つめると、不思議と勇気が湧いてくる。
君の目は、何よりも、誰よりも美しい。
君の目を見つめると、私はいつもより少しだけ強くなれる。
【君の目を見つめると】
4/6/2024, 2:49:46 AM
小高い丘の上
互いに手を絡めあって、見つめ合う
静かに風が吹く
新鮮な空気をいっぱい吸って、
大切なあなたと見上げる空には、
満点の星が輝いている
【星空の下で】