『過ぎ去った日々』
太陽が灼いた地面
人に妬いた日
自棄の自分
酒に溺れて
煙草に沈み
ただ書斎で虚空を見る
そんな日々に別れを告げ
書物を少し燃やしてみた
自堕落な自分にサヨナラを
射す光に挨拶を
今日はここまでにしておこう
明日の自分が陽を呼んでいる
『お金より大事なもの』
世紀の難問を解いて得る100万ドル
それはいらない
僕が欲しいのはその過程
沈没船に金塊があるという
それもいらない
僕が欲しいのはただロマンだけ
君を泣かせて得たものは
それこそ何も残らない
ただ茫然とした僕が残る
君を笑わせられたなら
きっと必要なものがある
大事にすべきものがある
ロマンも何も必要ない
ただそこに在ってほしい
君はここにはいないから
夢物語で終わるだろうが
きっと、成してみせる
その時、夜空から
笑いかけてくれ
『月夜』
チリチリ鳴き出す松虫に
ススキの微かに擦れる音
笑みを湛えた三日月が
照らす光と生む闇で
人が見出す憂さを晴らす
ほうほう鳴く梟と
紅葉の錦が落ちる音
蛍は舞わぬが光が爆ぜる
人の命もこれ如何に
『絆』
縁
関係
結びつき
君との事を表すには
少々似合わない言葉たち
100万ドルの難問よりも
かぐや姫の無茶振りよりも
見つけるのはきっと難しい
もっと深遠で
もっと複雑怪奇で
最も心を込めた言葉を
何処を探せば良いのかも
どんな文献を開けばいいのかも
未だにさっぱり分からないが
君の道のりを辿ってみよう
僕がそちらに渡る前に
きっと相応しい言葉を
君に叫んでみせるとも
『たまには』
たまには一緒に呑もうじゃないか
僕は菊水の辛口を
君はカシスオレンジか
ビールの良さがわからないと
コーラを飲んでた気がする
夜桜咲く宵に酔ってたようだ
どうも眠っていたらしい
ここで寝たら風邪をひくよ
そう言ってくれるかい
心配させる前に帰ろうか
いや、まだ月を見ていたい
突風が吹いた
花に嵐の例えもあるらしい
また酌み交わそうじゃないか
墓前の前で酒宴をするぞ
月光のもと
烏が一羽こちらを見ている
酒を狙っているのだろう
あれは君じゃないのかい
縁起が悪いと言うけれど
僕はしっかりその目を見た