水無月はじめ

Open App
2/9/2026, 10:13:56 AM

『花束』

桜の花の束はあげられないから
ヒヤシンスの香りを贈ろう

昼には枯れる朝顔は贈れないから
満開のヒマワリの生命力を贈ろう

彼岸花は危ないから
儚げで涼しげなリンドウを贈ろう

君と聖夜は過ごせないから
クリスマスローズで部屋を飾ろう

くすぐったいから
本当に贈りたいものはまだ贈らない

来春桜を見に行けたら
薄桃色の舞う中で
君に本当の気持ちを贈りたい

2/8/2026, 10:09:06 AM

『スマイル』

卒業式の写真
頑張って笑ってみたけれど
写真を見たら

口を真一文字に結んでるだけ

そんなにつらい時代じゃなかったのに
何故笑えなかったのだろう

自分にもわからない
心残りがあったのだろうか

自分の表情筋が信じられないが

もう少し
自分の心に目を向けよう

2/7/2026, 10:33:26 AM

『どこにも書けないこと』

原稿用紙とペンを前に
思考の渦に巻き込まれている

確かにここにあるのに

文にも
曲にも
声にすらできない

確かに想いはあるのに

何もできない僕がいる

ペンを持つ勇気もどこかに消えた

ただ『  』だと

目の前の紙に書けばいい

紙を破り捨てる勇気もない

そこにはただぽつりと
僕の影が映っていた

2/6/2026, 10:04:18 AM

『時計の針』
チクチク
タクタク
チクタクタク

何故か心に刺さる音

チクタクチクタク

どこか耳に残る音

畳の上に寝転がり
庭のエノコログサを眺めながら
陽の光を浴びている

几帳面にも
1時間に一度鳩が鳴く

あぁ今日も終わるのだと
微睡みの霧の中に居た

2/5/2026, 10:21:32 AM

『溢れる気持ち』

僕の心に溢れたもの

寒空の下で咲く蝋梅
辛いくらいに青い空
神のまにまに流るる紅葉
光り輝く白銀の峰

僕の心に溢れたものは
口から何かを発する前に
どうも眼から溢れるらしい

Next