【明日、もし晴れたら】
海に行こうと思う。
県内じゃなくて遠くの。
山とか花畑でもいい。
とにかく綺麗なら。
片道切符分のお金を財布に入れる。
カーテンを開け天気を確認するが
暗くて天気は分からなかった。
モヤが掛かっているがきっとあれは月だ。
テレビを付けて天気予報を見ようかと思ったがやめた。
明日の天気は明日知りたい。
【澄んだ瞳】
そんな目で見ないでくれよ。
僕はそんな立派な人間じゃない。
期待も尊敬も好意も愛情も
全部僕には相応しくない。
そう正直に言いたいけれど
君の瞳がそうさせてくれない。
【鳥かご】
昔、小学生くらいかな。
生き物を飼いたかった。
まぁ家族が犬猫好きじゃないから即却下だったけどね。
自分としては犬猫じゃなくても良かった。
魚、亀、うさぎ、鳥。
とりあえず「飼う」ってことをしてみたかったんだ。
まぁ実現しなかったんだけどね。
大きいショッピングモールにはたまにペットショップが入ってるからよくそこで時間を潰していた。
見るだけ。
幼い自分は我慢できなかった。
んでどうしたと思う?
鳥かごを貯めたお金で買ったんだ。
鳥なんて飼ってないのに。
買った後に「自分アホやなー」って気付く。
こんなこと親に話したらいやーな顔されるだろう。
もちろん隠す。
ありがたいことに部屋に無断で入ることはない親だったから部屋に。
その鳥かごは数年経ってもまだ部屋にある。
引越し、進級、卒業、入学捨てるタイミングはあった。
でもこれはいらないものでは無いから。
自分の数少ない思い出がこの鳥かごでは飼われている。
【今一番欲しい物】
正直、自分は今余裕が無い。
環境が変わり自由が減り
疲れてしまった。
逃げようにも逃げられない。
何が欲しいのだろう。
新しいパソコン、新しいスマホ
ゲーム、漫画、食べ物
欲しいものは沢山ある。
でも、本当に欲しいものはこれじゃない。
自由だ。
【私の名前】
好きとか嫌いとかそういうのはない。
気がついたら自然とあったものだから。
自分の名前は割と珍しいのだろう。
名字は難読という訳ではないが
家族以外で会ったことはない。
下の名前はテレビでさえ見たことがない。
漢字も当て字だしよく読み間違える。
親に由来を何度か聞いたことがあるが
日によって画数や人物像など様々で
本当の理由はわからない。
ただひとつ言えるとすれば
自分は自分の名前を気に入っている。