彼と別れて一年が経った。
東京のこの街のイルミネーションが彩る夜は思い出す。
楽しかったあの頃の記憶と彼の隣にいた時間。
私はこの選択を後悔してない。むしろ幸せになる為に別れたと納得すらしている。
それでも時々、街中で似た人を見かけると会いたくなる。
大切な宝物をたくさん贈ってくれた。
新しい恋人といつか冬を一緒に過ごす時間が来たとしても、彼と肩を並べて歩いた瞬間は特別で、今もスマホのフォルダーから消すことができない。
この先も、冬が来るたびに思い出すだろう。
通信制高校で働く新卒の教員
成長や笑顔が見られる最高の仕事
残業や土曜出勤も多いが、何よりやりがいがある
子どもたちから「先生」と呼ばれる瞬間が当たり前の日常が幸せ
模試の結果が最悪だった。
志望校の大学に受かるラインに達するまでに幾度も勉強に励んできた。
それでも自分の実力には嘘はつけない。
一枚の紙が残酷な事実を伝えている。
まるでジェットコースターが勢いよく落下するかのようにあっという間に、突き落とされた。
夢に向かって一歩ずつ進んでいく、そう決めたから今日も
歩んで行く。
憧れのお兄さんがいる。
同じ大学の学部に行きたい。
その夢を叶えるために、浪人の道を選んだ。
いつかまた会えたら今度こそ合格したよって伝えさせてね。
必ず夢は叶うと信じてる。
その日まで泣かないよ。
ねぇ、覚えていますか。
高校に入学して、同じクラスで隣の席になった日のこと。
穏やかな風が吹き、雲ひとつない青空が広がっていた。
桜の花がふわりと舞い散っていた。
どこにであるごく普通の春の日に出会った。
私はあなたの優しい笑顔が大好きだった。綴った言葉も過ごした瞬間も忘れられない記憶になった。
あなたに出会うまでは灰色の世界にいた。
色がない、生きているのが辛い、居場所なんか無かった。
それでも時間は過ぎていき、出口のないトンネルから脱出するために変わりたいと考える日々。
あなたは私の世界に色をつけてくれた。
誰にでも優しくできて、笑うと周りも明るくなる。
何回もあなたに救われたよ。
「今年も咲いたね 満開の桜」
あの日から季節は流れ、何度目かの春がまた来た。
私の住む町にも桜咲いたよ。
あなたのいる遠くの街にも咲いていますか。