桜坂春空 〜長編はノベマにて〜

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ねぇ、覚えていますか。

高校に入学して、同じクラスで隣の席になった日のこと。
穏やかな風が吹き、雲ひとつない青空が広がっていた。
桜の花がふわりと舞い散っていた。

どこにであるごく普通の春の日に出会った。

私はあなたの優しい笑顔が大好きだった。綴った言葉も過ごした瞬間も忘れられない記憶になった。

あなたに出会うまでは灰色の世界にいた。
色がない、生きているのが辛い、居場所なんか無かった。
それでも時間は過ぎていき、出口のないトンネルから脱出するために変わりたいと考える日々。

あなたは私の世界に色をつけてくれた。

誰にでも優しくできて、笑うと周りも明るくなる。

何回もあなたに救われたよ。

「今年も咲いたね 満開の桜」

あの日から季節は流れ、何度目かの春がまた来た。

私の住む町にも桜咲いたよ。

あなたのいる遠くの街にも咲いていますか。

2/28/2024, 5:44:32 PM