流れ星が光っている合間に、
三回願い事を唱えればその願いは叶う。
歌にもなっている、有名なジンクスだ。
そんな都合のいい話…、と
考えてしまうのは私の悪い癖だろう。
だけれども、こいつについては、
私も少し「叶うかもしれない」と思えている。
何の前触れも無しに流れてくる、
流れ星のわずかな間に願い事を三回言える。
つまり、その願いの事を常に考えている。
忘れることなく強い願いを抱えている。
願い事を叶えるためのチャンスは逃さない。
流れ星が光る間に願い事を言える人は
きっとそんな人だろうと私は考える。
流れ星はキラッと輝いたかと思えば
次の瞬間には夜空に溶けて消えているもの。
そんな一瞬の間に、願い事は…、と考える暇はなく、
思い出した時にはもうそこに流れ星はないだろう。
願い事を叶えるチャンスは、例え流れ星ですら逃さない。
きっと流れ星のように不意に来る、
本当に願いが叶えられるチャンスがあれば
それを迷わずつかみ取れる。
そんな人なら、相当無茶な物でもなければ
願い事が叶わないわけがない。
何なら相当無茶な物でも、叶えてしまうかもしれない。
きっと、流れ星に願い事を言えたのはそんな人だろう。
「あ、流れ星。」
今、誰かは願い事を唱えられたのだろうか。
「もう何もいらない」
「これ以外、何もいらない」
「これの為なら、他には何もいらない」
「貴方がいるなら、他に何もいらない」
「何もいらない」
ドラマや漫画でよく聞く言葉だ。
自分には例え口が裂けたとしても
絶対に言えない言葉だ。
遊んで暮らせる金が欲しい。
仲のいい友人が欲しい。
皆が敬い慕う地位や名誉が欲しい。
一生を添い遂げる恋人が欲しい。
スマホがないと暇。
ご飯がないと飢え死にしてしまう。
愛がないと心が辛い。
住む場所がないと落ち着けない。
最近人気のゲームが欲しい、人がいないと、
推しのグッズが欲しい、命がないと…
少し考えただけでわらわらと
「いるもの」「欲しい物」が出てくる。
私が欲張りなのだろうか。
それとも、みんな、そんなものなのだろうか。
もしも未来を見れるなら、どれほど良かっただろうか。
「また失敗したらどうしよう」
という考えが頭によぎり、何もできないし何もしない。
何もしないから、成功がない。
でも失敗はしないはずだ。
けれど何もしていないから自分の事が嫌になって、
また何もできなくなる。
そんな毎日を繰り返している。
私は過去にした小さな失敗をずっと、見続けている。
私の時は進まない。
もしも未来を見れたのなら、どれほど良かったのだろうか