流れ星に願いを#59
「あのね、ことちゃんね流れ星に願いを届けてあげないの。だってお星さまは私のこと見てくれないから。
私は太陽さんに聞いてもらうんだ。お話しのことはことちゃんと太陽さんの秘密。あかねえとはるねえにも秘密だよ。」
私は、ふとまだ明祢が生きていた頃に琴祢ちゃんが言っていたことを思い出した。
あれは一体何だったんだろうか。
今度聞いてみようかな、でももう何年も前だし覚えているかどうか。
ことちゃんか…また呼んであげたらどんなリアクションするだろう。
そんなことを思いながら眠りについた少し懐かしい気持ちになれた夜だった。
雫#58
ねぇ、わたしどうしちゃったのかな。
あの人の顔を思い出せないよ。
あんなに好きだったはずなのに、あの夏の夜に全部全部無くしちゃったもんね。
わたしが悪いんだけどさ。
あれ、なんで雫が垂れてくるのかな。
おかしいなぁ…この感情は去年に置いてきたはずなのに。好きの感情も、後悔の涙も。
桜散る#57
木々が恋する儚い時期よ、写真におさまる準備は万端かな。
君の左手つかんで走り出した花道、春風が背中押してくれた。
何気ないふりはもうやめたんだ。涙なんて似合わないさ、笑顔の花咲かせようよ。ほら、笑顔のが素敵だよ。
恥ずかしながらにみせたその頬にも桜色が見え隠れして、そんな些細な表情でときめくなんてね。
嬉しさを満開に咲かせて彩ってこの一瞬をフィルムに閉じ込めて振り返れたなら幸せだよね。
君との縁を未来まで結んでいたいよ。
桜散る時になってもそれは変えたくない願いだよ。
快晴#56
今日は珍しく散歩をしようと私は外に出て空を仰いだ。昨日より青がよく見える。明日はどうだろう?曇天かな、それとも快晴かな?空の情緒はわからないけど明日も安定してますように。
言葉にできない#55
なんだこの気持ちは、わかんない気持ちだな。
大人数での行動はやっぱり誰といたってちょっと苦しい。別にいいんだよ、人は多い方が話しも膨らむだろうしさ。でも、やっぱり自分は二人がいいなって思ってしまう。人がいればいるほど比べてしまうから。劣等感に苦しくなるから。楽しみだったはずなのに気づいたら苦しくなっている自分がいて、緊張なんてする相手じゃなかったはずなのに変に気を張っていて。やっぱり自分って…みたいになっているのが嫌で仕方がない。言葉にしてみるけど本当の気持ちまでは言葉にできないからさ。なんだろうねこの醜い気持ちの正体って。