柚月まお

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3/14/2024, 2:45:10 PM

安らかな瞳#38

「もしもし、私の声聞こえてる?」
何度も彼に呼びかけた。
でも、私の問いかけにはうんともううんとも返ってこない。
何度も呼びかける。
「頑張って生きるよ、私が君の分まで後悔のないように。」
「君は私のことになると心配性になっちゃうよね。」
「ごめんねよりもありがとうをいっぱいくれたよね。」
「こちらこそありがとう、ありがとう、ありがとう。」
私はぼやけた視界の中で感謝を投げ続けた。
君が安らかな瞳でさいごにくれた言葉のプレゼント
『僕は君からたくさんの言葉とありがとうをもらえて幸せだった、今度はその言葉であなたの周りの人たちを幸せにしてあげるんだよ』だった。
 
私たちにとってホワイトデーは
“君が真っ白になった日、真っ白になった私が再び彩られはじめる日”

3/4/2024, 3:00:25 PM

大好きな君に#37

ホワイトデーまであと10日。
なんの期待もしてないなんて言ってはみるけど、やっぱりちょっとは期待しちゃうよね。
私だって、大好きな君に正直な気持ちを気持ちを聞いてみたいなって思う。
それに、3・14ってなんかずっと続きそうじゃない?

3/2/2024, 4:52:50 PM

たった1つの希望#36

「僕がこの気持ちを恋だと認識したときにはもう熱しきっていたんだよ。」

私が屋上で聞いた言葉。
最初は何を言っているのか全然わからなかったけれど、理由を聞いて納得できた。
彼はずっと私に片思いをしていたらしい。

彼は私に「君を好きでいられたことがたった1つの希望でここまでなんとか学校に来れた理由だった、君を好きでなければ頑張れなかった」と。

私は誰かの生きる希望になれていたらしい。
それは嬉しいことだけど、私の希望は夕暮れの空に消えていった。

1/29/2024, 2:48:23 AM

街へ #35

また私は一人で深い夜の街へ駆けていた。
晴架に呼ばれたわけではない。
夜の風を浴びたかったわけでもない。
ただ独りで満たされない心を満月で満たそうとした。それ以上の意味はない。
私みたいに太陽に頼らないと輝けないから。
私は自分と月を重ねてしまう。
私と一緒にしないでほしいと言われてしまうかもしれないけれど、私と月は違う。
そんなことは分かっているよ。
私は誰かの相談にしかのれないし、多分いらなくなったらまた捨てられるだろうなという怖さがあるけれど、月はずっと空にいる。
私たちに安らぎと優しさをくれる。
捨てられたりなんかしない。
いつも私たちを見守ってくれている。

1/22/2024, 4:59:04 AM

特別な夜 #34

あぁやっぱり私には言えそうにないや。
本当の気持ちなんて伝えたらまたあの人に甘えてしまうだろうな。
もう終わりにしたはずの関係に縋れないのにまた縋ろうとしてしまう。
何も得られないのに。
そんなこと自分がよくわかってるはずなのに。
最後まで言えなかった"ありがとう"をまた心の中で腐らせて。
そんなことをしているから私の誕生日の特別な夜になってやっと気づく。
私はあの人がいないと何もできないんだってことを。
ここにあの人がいないことが何よりの証拠。

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