大空#26
私は空を眺めるのが好き。
空は青く澄んでいて広くてまるでキャンバスみたい。
この大空が時間や天候で表情を変えるのを見るのが私の一日の楽しみ。
そんなことかと思われるかもしれないけれど、そんなことを言うあなたはきっと下を向いて歩いていて空の表情を知らないんだね。
私はねそれがもったいないなと思うよ。
もっと上を見ようよ。
空と話そうよ。
寂しさ#25
「この惨めさも寂しさも全部雪玉に丸めて空に投げたいよ。」
私は冬空の下で独り呟いた。
冬は一緒に#24
夜9時、私が学校から帰って来て一息ついた頃。
スマホが通知音を鳴らした。
「綾瀬さんクリスマスイブって何か予定ありますか」
という内容だった。
普段の私ならすぐに既読をつけるけれど今回のは少し既読をつけるのをためらうものだった。
なんで躊躇っているのかわからないけれどスッと返せることではなかった。
クリスマスなんて家族団欒の日だと思っていたからびっくりしてるのかも。
まぁ予定はあるようでないから相手を知るためにも行ってもいいかも。
私は翌朝、「クリスマスイブ空いてるよ」と返信した。
(緊張して当日返せなかった)
とりとめもない話#23
あなたの声が好きでみんなに向ける笑顔が好きで、
あぁでもその笑顔も、その声も僕に向けられることはなくてさ。
僕なんてあなたの瞳には映ってないんだろうな。
でも僕にもその笑顔を向けてほしいし、その声も聞かせてほしい。
とりとめもない話を聞かせてほしいし、その笑顔だって僕に向けてほしい。
そんなことを思うだけの意気地のないやつ好きなわけないよな。
風邪#22
冬の訪れを風が教えてくれた。
「もう今年も15日か。早いような遅いような、、、
濃い一年だったな。」
なんて冬空の下で零した言葉は喧騒の中に消えていった。
気づけば僕の好きな季節が巡ってきた。
レモンティー片手に真っ赤になった手を見てやっと寒さを実感する。
僕はなにをしているんだろうか。
待ち人なんていないのに。
早く帰らないと風邪をひいてしまうかもしれないのに。