愛を注いで#21
私はまだ恋を知らない。
どんな感情なのか。
異性を好きになる感覚って。
トキメキが足りないのかなんなのか全然恋心わからないんだよね。
そういえば亜紀ちゃんの最近の口癖は「私に愛注いでくれる人いないのかー!」なんだけど私からしたら亜紀ちゃんも注がないと注がれないのではないかなと思うんだよね。
この感覚は変なのかな?
そもそも愛を注ぐってなのなのよ。
心と心#20
「ねぇ心って何だと思う?」
亜紀ちゃんからの何気ない質問
私は口をつぐんで答えられずに沈黙してしまった。
あんなに真剣な顔で質問をしてくるから私は驚いて「え?」なんてマヌケに答えてしまったけれど亜紀ちゃんは
「え?じゃなくてさマジで悩んでるんだよふうちゃんの答えも教えてよ!」
なんて言うから、私も考えて考えて考えて出た答えは「一番正直なところ」という答えだった。心は正直だけど口はたまに嘘つきだから心と心を交わすのは難しいんだと思うよって答えた。
また恋愛で悩んでるのかな?
でもやっぱり私にはまだ分かりそうにないや。
仲間#19
先生によって私たちのことを「友だちみんなで」とか「仲間と協力して」とかいろんな言われ方をする私たち生徒。
歳を重ねるたびに分からなくなっていた友達と仲間の線引き。
あなたにはわかるのかな仲間と友達を分ける一線。
私はようやくこれかもって答えにたどり着きつつある。
それは自分自身のことをお互いに話し始めたときだと思う。
お互いのことを知ったら友達だなって思うんだよ。
個人的な認識として、同じ場所にいる同じ目的を持った人たちって感じだけど、友達はもっとお互いの好きなものとか趣味とかの話ができる人なのかなって思ってる。
これは私個人の思ってることでいろんな意見もあるかもだけどあたたかく見守ってね。
部屋の片隅で#18
気づけば季節はもう冬らしい。私はまた一日という時間を無駄にする。あの別れから4ヶ月が経つけれどまだ心の整理がつかずに休職させてもらっている。会社の人に迷惑だと思ったから退職してもいいかなとも思ったけど、友達が「一旦休職して心と部屋の整理をしなさい」って足の踏み場もない部屋に目を落としながら優しく言ってくれて一応延命できている。
私は8月の初旬に突然別れを告げられて、連絡手段も全て絶たれた。私の話なんて聞いてくれなかった。いつだって自由な彼は私のくだらない話も聞いてくれた。すごく安心できる時間でなんとなく無くならない時間だと思っていた。期待しちゃいけないと思っていたけれど私はいつからか彼に期待をしてしまっていた。私のことなんて興味ないことわかっていたのに。本当に愚かな話だよね。
私は部屋の片隅で涙を堪えながらあの日の思いを吐き出していく。
後悔なんてもうごめんだよ。
過去に縋って生きるのはもうやめよう。
ありがとう、さようなら。
さよならは言わないで#17
私との時間が終わる時またねって言ってほしい
また君に会いたいしまた君の声を聞きたい
君はしょうもない話だけど聞いてくれる?って前置きをして話し出すけれどその話は私にとってすごく貴重なものだと思う
だって私の知らない君の世界を知れるから
いつだって君は自分を卑下するのは悪い癖だと思う
私は君と話している時間が何にも代え難い幸せなのにその時間を否定しないでほしいな
君はいつも私との話が終わる時にさよならって言うけれど、さよならは言わないでまたねって言ってほしい