忘れたくても忘れられない#6
ある日、今日は星降りの夜
君の笑顔輝いてる
星の見える美しい空
今日はなぜか浴衣の君いつしか言っていた「いつか浴衣で星を見よう」ってね
あれから何年経ったのだろう
あの時の僕はいつも楽しくて浮かれていた
流れ星も流れるふたりの世界
ある日、今日は星降らぬ夜
いつだってそうだった
夏になれば無意識に空を見上げる星のない空
あの時の記憶忘れたくても忘れられないよ
あの時の君はいつも笑顔で僕も自然と笑顔になって
あの時の僕たちはいつも楽しくて
でもさ、ほら今の僕を見てよ流れ星なんて捕まえられない
流れ星は流れない独りの世界
あの時の僕たちはもう何処にもいないの
僕があの頃好きだったあの子は?ねぇ教えてよ
流れ星は?浴衣の君は?あの頃の星空
全て虚像の世界 僕の記憶は全て夢の中
やわらかな光#5
放課後の屋上は野球部の声とか、音楽室から聞こえる楽器の音で騒がしくも心地良い空間で
夕日のやわらかな光が私を照らして影になった。
いつみてもあの人には釣り合わないなと思う。でもあの人以外考えられないし考えたくない。
こんなにも想っているのに届いてないみたいで心のポストはおサボりさんだなと思う。ちゃんと働いてほしいよ。
毎日教室で顔を合わせているのに、チャンスはたくさんあるはずなのに大事なところで足踏みして踏み込めない。
だからこうして屋上まできて一人で反省会をするの。でも、その反省は明日に活かせずにまた一日が終わる。
私は毎日日記をつけるようになった。
心の中ではもう蓋をして置けないから。
でもゴミ箱にも捨てられなくて
いつまでもカバンの奥に押し込んで
夜になったらぼろぼろの船で後悔の海に航海しに行って迷ってそのまま眠るの。
もうそんな毎日が嫌で文字にして残ることにしたの。
ふぅちゃんは日記って素敵だねって言ってくれたけど中身は全然良くない弱いものの独り言。
亜紀は今日も敗北しましたよ。ふぅちゃんもいつかこんな気持ちを知るのかな?
ふぅちゃんの恋はうまくいくといいな。
鋭い眼差し#4
欠陥だらけのワタシはいつからか自分の名前すら忘れちゃった。名前なんて与えられたのかわからない。
ワタシが誰なのかココがどこなのか。
全部無くしてしまったみたいだ。
いじめられて嫌われて、なにもかも忘れてワタシには何も残っちゃいないよ。
鋭い眼差しの元に晒されたワタシの醜い姿。
何処かに捨ててきた優しさの心。
そもそもそんなものがあったのかすら今となっては怪しい。
ありがとうの意味、約束の大切さを教えてくれたあの人を探してまた雨の中を走り回っている。
ねぇどこに落ちてる?
7年経った今でもまだ思い出せない。
ワタシを家から追い出した男の人の鋭い眼差しを、
あんなに冷たい目ができるのかと驚いた記憶がある。
落としたもの、失ったもの何も覚えちゃいないよ
ワタシは一体なに?ねぇ教えてよ。
いつからかな他人が怖くて仕方なかった。
アザばかりの手足血だらけの包帯。
もう生きる価値を失ってるよ。
盗られて、捨てられて、ワタシはどうすればいい?
慰めてよ、優しくして、生きていいと言ってほしい。
アナタたちが盗ったワタシの記憶返して
無くしたもの、失ったもの何もかも返して
ワタシの存在を返してよ
子供のように#3
最近は新生活に慣れることに必死で過去を振り返ることなんてしてこなかったけれど、やっと落ち着いて来たので少し振り返ってみようと思います。
中学を卒業してから地元を離れて誰も私のことを知らないところにきました。
送り出してくれた両親には感謝しています。
子供のように甘えてばかりじゃだめだと思って離れた地元にもう帰りたくなっています。地元の空気が恋しいです。
春にここに来て6ヶ月、桜が散るのを見る暇もなく、夏になってアルバイトに課題、友達と遊ぶとかいろんな予定に埋もれる毎日でした。
やっと私の好きな季節になってきて新しい友だちもできました。ここに来たときは不安で夜も寝れなかったけれど最近はしっかりと寝れていて生活リズムも出来上がりました。
心配しないでね。年末はそっちで過ごしたいと思ってます。
最近寒くなってきたのでお互い風邪には気をつけて年末にまた元気な姿みせてください。 亜紀
放課後#2
16時30分
一日の終わりのチャイムが響いて放課後になった。
クラスメイトが帰り支度を始めていて、早い子はもう部活に行ったっぽい。
私も部活に行かなきゃな〜
「亜紀ちゃん部活いこーよ」
反応が返ってこない亜紀ちゃんの方に視線を向けたら中途半端に片手を上げて固まった姿がそこにあった。
この姿を見るのはこれで何回目なのだろうか。
そんなに様子伺うならバイバイってまた明日ねって言っちゃえばいいのになぁ~
うふふがんばれ~
なんでこんなに友達の恋愛って面白いんだろうな。
私も恋したりしたら亜紀ちゃんにからかわれちゃうのかな。
私が恋愛相談したらいい相談相手になってくれそう。
そういえば亜紀ちゃんまた部活の後輩ちゃんの恋愛相談も乗ったりしてるって言ってたな。
自分の恋も大変そうなのに後輩ちゃんの話も聞いてるなんて大変なんだろうな~
私もいつかそんな大変な側になるときが来るのかな。
そんな気持ちにさせる人は一体どんな人なのやら…
「おーい、ふぅちゃんどうしたのそんなボーっとして
ほら部活遅れちゃうよ〜」
「ちょっと置いてかないでよ~」
最近寒くなってきたし、恋人さん欲しいかもと思った部活前の夕暮れでした。