今を生きるのは、生きやすくて生きづらい。
昔よりは圧倒的に若い世代が尊重されているにも
関わらずだ。私にはそれが何故なのか、明確な理由を
ひとつもあげられない。無知は罪である。
学校で学ぶだけでなく、インターネットを駆使し
さまざまなことを知っていくのもひとつの手では
ないだろうか。これはただの感想にすぎないが。
私も、そうやって聡明な人間になりたいと思う。
「飛べ」
で思い出すのは、やはり某バレーボール漫画だ。
なぜそれなのかというと、人生観の部分で大きく
影響を受けたからである。
この言葉は主人公の高校の横断幕の言葉であり、
アニメの主題歌の歌詞にも入っている。
飛べ と言われ、助走をつけて走り出す雛たち。
自分も雛のうちの1匹に混ざり、羽ばたいていく。
そんな事が出来たらいいなと思う。飛べないカラス
には決してなりたくない。飛びたい時・飛ばなければ
ならない時に飛べる鳥でありたい。
今日は特別な日。
だって、彼に会うことができるから。
いわゆる遠距離恋愛というやつだ。
金曜日の夜、退勤したら夜行バスなり新幹線なりを
使って東京から彼のいる場所へ向かう。
月に1度くらいのペースで会っているので、1回ごとに
会いに行く方を変える。
「久しぶり!」
『久しぶり。会えて嬉しい』
この月に1度の甘い雰囲気も、特別だ。
気持ちが良いなあ。
涼しくて、夏らしい緑の隙間から差す光が眩しい。
これはひと夏の、2人だけの秘密だ。
一緒に花火を見たことも手を繋いだり、体を
重ねあったことも、ぜんぶ。
「受験生だね」
「そうだね」
「「別れよう」」
あっさりした別れだった。でも、お互いこの夏のこと
を口に出すことは無く、時間は過ぎていくのだった。
その日は、とびきり星が綺麗だった。2人で星を
見上げて、綺麗だねぇと笑った。望遠鏡もないので、
分かる星をひたすらに探した。
「あ〜、勉強しなきゃね」
「そうだね〜。大学はどこ行くの?私は地元かな」
「俺は東京出るかな。」
この先も、こうやって人生は続く。宝箱に入れるように、この記憶は大切に仕舞っておく。誰も侵すことが
できないように。いつでも、取り出せるように。
「地元戻ってきてたの?」
「うん。就職で戻ってきた。」
また、出会えるかもしれないからね。
2人だけで花火を見た、あの橋の上で。