yuhi

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2/4/2023, 12:08:32 PM

「わたしの好きなものは、kissです」

と、毎朝の1分間スピーチで、ひと際地味な女子がそう発言した。教室にピーンと緊張の糸が貼られたのが目に見えるくらいにわかる。親とテレビを見ていて、ラブシーンに遭遇してしまったときの気まずいあの感じだ。さて、この空気はどうすればよいのかと誰もが、目を泳がせている中、一人の男子が言った。

「あー、洋楽のロックバンドね」

彼はそれから、救世主と呼ばれることになった。

2/4/2023, 3:46:54 AM

夫と夫の友だちとお茶をしている。
緊張のためか、トイレが近いわたしが、何回目かのトイレから戻ってくるとき、彼らの会話が聞こえた。

「奥さんのこと、永遠に愛せる?」

夫はさも当たり前かのように答える。

「永遠には愛せないよー」

戻るタイミングを失うわたし。「せめて」と夫は言葉を続けた。

「せめて、1000年くらいだな」

長生きしようとわたしは思った。

2/2/2023, 12:35:44 PM

晴れのち勿忘草の予報通り、午後に勿忘草が降ってきた。平野部でもうっすらと積もるかもしれないとのこと。まれに「Forget-me-not」の文字が落ちてきて、それを見かけたら幸運のサインだって話もある。

とにかく今日は、誰もが誰かを忘れられない日。

2/2/2023, 7:52:59 AM

胸のポケットにいる天使が、誕生日だというので、手のひらサイズのブランコをプレゼントした。

羽根が仕舞えないので、行ったり来たりがぎこちない。それがめちゃくちゃ楽しいのだと、大声で笑っている。

1/31/2023, 3:37:18 AM

「あなたに届けたい言葉があります」

「なんですか?」

「好きという言葉」

「言葉は届きましたが、気持ちは届いておりません」

「言葉が届けば、じゅうぶんです」

「あ、いま、届きました」

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