僕はよく、発作を起こしていた
どうしようもない漠然とした死の不安で
生活もままならない程に。
「俺が死ぬのは、この人が死ぬ時だ」
悪魔はそれを受け入れて、君の心臓に魔法をかけた。
「ずっと2人だな」
君は、最期のその先まで傍に居てくれると言った
死とは孤独なものだと、どこか諦めていた僕を
君は簡単に救ってみせた
今はただ、君が愛おしい。
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実話から書いてみました。
これからもずっと、愛してます。
ひたひた ひたひた
足音がする
ひたひた ひたひた
ひとりぼっちの足音が
ひたひた… ひた…
今、僕の後ろで止まった。
「…何か、やりたい事とか、欲しいものとか…無いか?」
長く続いた静寂を、勇気を出して切り裂いた
今ここで声を出せるのは、俺だけだったから。
『…とおくへ、いきたいなぁ』
冷たい電子版に表示されたその言葉を、
叶えてやれる訳でもなく。
俺はただ、また黙って泣く事しかできなかった。
***
病で声も発せない死にかけの子を想像しました
狭い病室を出て自由に遠くへ行きたい気持ちと、
長く続く辛い闘病生活を終えて遠くへ逝きたい気持ち。
本当に叶えたいのは前者だけど、叶わないと分かっているから、叶う範囲で願った後者。
漢字に変換もせず打ち込んだのは、そう出来ない程に弱っているのと、決めきれなかった2つの願いを込めたかったから。
主人公くんはそれを分かってて、何も言えなくなったと。
本当はこういうのって解説とか入れない方が良いんでしょうが、入れたくなっちゃったので追記です。
自由に楽しみます。
少女の1000年の嘘が
空をこんなにも明るく照らした
嘘吐きな盗人は
最期まで嘘を嘘と知られぬままに
使命を全うしたのだ
陰の英雄である彼女を
今はただ、静かに見送ろう
6/25:[空はこんなにも]
▶︎真っ先にセファリアが思い浮かびました。
せめて彼女が西風の果てで、ゆっくり眠れますように。
「────美しい」
ナンパしようと思った訳では無い。
彼は本当に、他に形容する語彙が無い己が憎い程に、美しい。
「──それは、俺に言ったのか?」
聞き慣れてきた言葉の筈なのに、ハトが豆鉄砲を食らったような顔をしている。
あぁ、そんな表情もまた、美しいなんて。
ずるい人だ。