「…何か、やりたい事とか、欲しいものとか…無いか?」
長く続いた静寂を、勇気を出して切り裂いた
今ここで声を出せるのは、俺だけだったから。
『…とおくへ、いきたいなぁ』
冷たい電子版に表示されたその言葉を、
叶えてやれる訳でもなく。
俺はただ、また黙って泣く事しかできなかった。
***
病で声も発せない死にかけの子を想像しました
狭い病室を出て自由に遠くへ行きたい気持ちと、
長く続く辛い闘病生活を終えて遠くへ逝きたい気持ち。
本当に叶えたいのは前者だけど、叶わないと分かっているから、叶う範囲で願った後者。
漢字に変換もせず打ち込んだのは、そう出来ない程に弱っているのと、決めきれなかった2つの願いを込めたかったから。
主人公くんはそれを分かってて、何も言えなくなったと。
本当はこういうのって解説とか入れない方が良いんでしょうが、入れたくなっちゃったので追記です。
自由に楽しみます。
7/3/2025, 12:16:22 PM