明日も大丈夫そんな風に思ってた
この国は平和だと思ってた
あの日が来なければ…
あの飛行機が来なければ…
あの日僕は飛行機に乗って行こうと思ってた
世界のどこかにある『夢速』という場所
またの名を『楽園』
飛行機で行けると話題になったので友達と共に行くことにした。楽園があると信じていなかったので乗り気ではなかったが旅の準備していくごとに楽しくなった。
そして出発する時になった
何かがおかしい機内、奇妙なCAさん
乗客は俺らだけ…
気づくのが遅かったんだ楽園など幻想と…
何日がたっただろうか
飲まず食わずでも大丈夫だった
友達は耐えきれなくて命を絶ってしまった
もしかしたらここは本当に楽園かもしれない
だって、綺麗な草花と青空さらに春みたいな温かさ
この場所にずっと居たい…
誰が呼んでる気がするここには自分だけなのに…
おい‼️起きろ‼️起きてくれ‼️
飛行機が墜落事故してしまって、俺は軽傷だったが
こいつは意識不明の重体で毎日見舞いに来ている
いい加減起きてほしい…
俺のせいでこんなことに…
俺が楽園に行こうって言ったから…
もう1ヶ月もたっているのに…
夢の中で
河川敷で会ったあの人は僕の初恋だった
とても綺麗で切なく笑うその人は近くの病院に入院しているらしい…
僕はその人に会いたくて桜の舞う季節にその病院を訪れた
だがもう既に亡くなっていた…僕の初恋は叶わなかった
名前も知らないその人を僕はサクラと呼ぶことにした
それからはサクラに似たような人を好きになるようになった、もう一度会える気がして、会えるわけないのに…
あの日から1年がたって河川敷で桜を眺めていた
風に吹かれて舞う桜は綺麗で思わず写真を撮っていた
写真に映っていたのはあの日のサクラで僕の心残りが無くなった…
この写真をサクラに見せよう!
『もう一度…見せてあげる…待ってて』
僕達は風に舞う季節を出会いと呼ぶ
別れ
あ〜もうサクラが散ってしまう
来年もまた見れるかな?なんて期待しない
病院の窓から外を眺めて思う
触れてみたい…
私の命はあと1週間
サクラが散ってしまうのが嫌だった
でもこの世にまた産まれたら元気に走って
いろんなものに触れよう…あと3日…
あっ…1週間ももたなかったのか…
最後に見た満開の桜はとても綺麗だった
私の命も儚く散った
私の名前はサクラ
『もう一度だけ…見たかった…桜の舞う季節を…』
未来
今日は誕生日だった、15歳になった。
でも誰も祝ってくれなかった
当たり前だ、人と関わるのが苦手で友達なんて居ないから
学校の屋上で夕日を見ながらため息をついた
下校している生徒を横目に自分に問いかけた
なんのために産まれたのか?
なぜ人は生きるのか?
この疑問の答えはあるのだろうか
まぁ関係ないか…
早く帰ろう、いやもう少し考えよう、
誰も家に居ないし、ケーキでも食べようか、
今日はちょっと贅沢な時間にしても大丈夫だろう。
家に着いたら静かだな…
そうかいつも通り飲みに行ってるのか…
息子の誕生日を忘れて、酷い親だ…
いきなり電話がなったクラスの奴からだった
『誕生日おめでとう!今から家行くからな!』
(ガチャ)
まじか…どうしよう…
(ピンポーン)
早い…来るのが早い…
「入るぞー!お邪魔します!うわっ!!たくっ居るなら返事しろよ。怖いだろ」
「あぁ悪かった」
こいつが居たらこれからも楽しいだろうな
「そうだ!ケーキあんじゃん!食べようぜ」
「あ、うん!」
いつもより騒がしい気がした
この未来がほしい、そう思って手を伸ばした
屋上の風が涼しかった…
生きる意味も分からないまま社会人になったのだった
未来は残酷だ
本音
私は自分が大嫌いだ
嘘つきで泣き虫だから
だけど嘘をつく
自分が好きだ
嫌いな子の前でも笑う
苦しくても、大丈夫と
助けてほしくても隠してしまう
「なんでもない」
そんな自分が嫌いだ
そう私は嘘つきだ
だけど今日は本音を話そうと思う
「私ね実は〇〇ちゃんのこと苦手なんだ」
「なんで?」
「なんて言うか、生理的に受け付けないんだよね」
ちゃんと言えた…
「でもいい子だよ」
どうでもいい嫌いなんだから
でも咄嗟にでた言葉は
「知ってるよだから無理しない程度に関わってんじゃん」
やっぱり嘘だった
自分が嫌になる…
もし同じ様な人が居たらこう思うだろう
(助けて欲しい)
口に出るのは違うけど
「君は頑張んなくても大丈夫みんな味方だよ」
誰かにとって自分が必要とされる日を待って
嘘をつく