Darkness

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未来
今日は誕生日だった、15歳になった。
でも誰も祝ってくれなかった
当たり前だ、人と関わるのが苦手で友達なんて居ないから
学校の屋上で夕日を見ながらため息をついた
下校している生徒を横目に自分に問いかけた
なんのために産まれたのか?
なぜ人は生きるのか?
この疑問の答えはあるのだろうか
まぁ関係ないか…
早く帰ろう、いやもう少し考えよう、
誰も家に居ないし、ケーキでも食べようか、
今日はちょっと贅沢な時間にしても大丈夫だろう。
家に着いたら静かだな…
そうかいつも通り飲みに行ってるのか…
息子の誕生日を忘れて、酷い親だ…
いきなり電話がなったクラスの奴からだった
『誕生日おめでとう!今から家行くからな!』
(ガチャ)
まじか…どうしよう…
(ピンポーン)
早い…来るのが早い…
「入るぞー!お邪魔します!うわっ!!たくっ居るなら返事しろよ。怖いだろ」
「あぁ悪かった」
こいつが居たらこれからも楽しいだろうな
「そうだ!ケーキあんじゃん!食べようぜ」
「あ、うん!」
いつもより騒がしい気がした
この未来がほしい、そう思って手を伸ばした
屋上の風が涼しかった…
生きる意味も分からないまま社会人になったのだった
未来は残酷だ

4/27/2023, 2:40:30 PM